人生を深掘る問い〜佐藤真紀子さん物語14

人生を深掘る問い〜佐藤真紀子さん物語14

湧いてくる不安

「私が今、心の底から受け取りたいものとは?」

ノートに問いを書き出したが、答えがはっきりと浮かぶわけではない。「受け取る」ことの大切さは理解できた。なのに、なぜか心の奥底に違和感がある。毎回分かったつもりな私が恥ずかしくなる。

もしや私は、ただ単に受け取ることへの抵抗感だけではなく、——私は何のために生きているのか?——に、まだ正面から向き合っていないのかもしれない。

もし今の生き方がまちがっていたら?
人生を振り返っても何もない、全くの無価値だったらどうしよう?
やりたいことがないと気づいたら、どうすればいいの?

まさに混乱だ。ものすごく嫌な不安が湧いてくる。頭がぐるぐるして、胸のあたりが締めつけられるようだ。どうしても考えたくないのに、問いが頭から離れない。できるものなら、早く逃げ出したい。このまま何も知らないほうが幸せなのでは?

真紀子ちゃんとの対面

いろんな気持ちが湧いてくるが、龍先生の誘導に従い、静かに目を閉じた。

「深く息を吸って・・・ゆっくりと吐いて・・・。幼少期の真紀子ちゃんへ会いに行ってみましょう。どれくらいの背丈ですか?どんな表情をしていますか?」

私は呼吸を整えながら、心の奥の真紀子ちゃんに意識を向けていく。

「真紀子ちゃん、うつむいています。無表情です。このくらいの背丈・・・、小1くらいですね」

「そうですか。真紀子ちゃん、どうしてあげたいですか?」

「何かに止められている気がします。言葉が全く浮かんできません。真紀子ちゃんに、何も言えません」

「ほぉ、なぜだと思いますか?」

「・・・幼い頃から体が弱くて、体育ではよく休んでいました。弟が元気溌剌としていて、羨ましかったです。『なぜこんなに病弱なの?』と親に文句言っていたのを覚えています。疲れ果ててあきらめちゃっている感が・・・」

「なるほど・・・。大人になった真紀子さんは、どう感じていますか?」

過去と向き合う勇気

「幼稚園当時は、体育の授業等の明確な拘束があったわけではありません。病弱だとかの問題を抱えつつも、なんとか皆に合わせていました。小学校に入ってからは知り合いも他クラスになって、1人ぼっちになった気持ちになりました。」

「では、1番に引っかかる気持ちは、孤独感でしょうか?」

「1番かどうかは分かりませんが、かなり大きいです。私だけ休まされ、仲間外れにされた感覚を抱いていました」

「孤独感は、私も長期にわたって悩み苦しんできました。確かにキツイですよね。真紀子ちゃん、真紀子さん視点ではどう生きてほしいでしょう?」

「まず、抱きしめてあげたいです。」

「いいですね。どうぞギュッとしてあげてください。いかがでしょう?」

「・・・温かいです。でも、まだ不安そうな顔をしています。」

「真紀子ちゃん、何か言いたいことはありますか?」

「・・・私、どうせみんなと同じようにできないもん」

その言葉を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。

問いの深掘り

龍先生の声が、私を現実へと戻す。

「真紀子ちゃんはよく分かっていないかもしれませんが、私の中で何かが変わったように感じます。」私は、ノートに静かにペンを走らせた。

『私が本当に求めているものは何か?』

『私は、何のために生きているのか?』

『この人生で、私は何を成し遂げたいのか?』

——私は、まだ答えを知らない。だが、問いを持つこと自体が、人生を深く考えるきっかけになる。

龍先生が微笑む。

「真紀子さん、その問いを持ち続けてください。答えはすぐには見つからなくても、その問いが人生を豊かにします。 問い続けることこそが、真紀子さんの人生を導くものになります。

私の潜在意識セッションの方針は、ご本人でできない点を補うだけに留めたく考えています。極力、真紀子さんが自力で開拓してみて達成感を持って欲しいんですが、いかがでしょう?」

深くうなづいた。

「ありがとうございます。はい。やってみます!」

この感覚を忘れないうちに、ノートを閉じた。私の人生は、今、新たな問いとともに動き出す。

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投稿者:

RyuAnshin

Universal Flow Therapy 健創庵 龍 庵真(りゅうあんしん)と申します。
 少なくとも20万人超のお名前と向き合わさせていただいた経緯から、生き方より理想を創り出す「姓名承認マイスター」を広げています。 
 究極のセルフマネジメントで自立成長を応援。 絶対に目標達成したい方へ、未知の可能性を実感の理想具現化サポート。 
 
 15才で自衛官となり、出身地の長崎よりも首都圏での生活が2/3となりました。 
 私自身のセルフイメージが強烈に低く、どんなに素晴らしいことをしても、悪い意味でバランスをとるような出来事が起きていました。 マジメに生きようともがきつつも、運命の荒波に翻弄され続けた期間は、30年を超えます。 
 今まで一貫してお伝えしてきたのは、 本当の癒しは、ご自身にしかできません。 
 「立名コーチング」という独自の理論により、 ・過去と未来を今ココに集約させ ・理想とする未来のご自身からアドバイスを受ける ・理想とする未来のご自身を発信源に、過去の記憶を癒す 方法を編み出しました。 
 世界中にiPhoneレベルで 「理想の自分像って?」 を訊き合って認め讃え合えている感動世界を見るために、今を生きています。 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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