佐藤真紀子さん、ブログを書き始め勢いづいていました。いよいよ渦中にはまり込んでいきます。
真紀子さんと一緒に、私も成長させていただいております。
ブログを始めて1か月が経った。発信することで自分の考えが整理される感覚は心地よかったし、読者の反応も励みになっていた。
「勇気をもらいました」「私も一歩踏み出してみようと思います」
メッセージが届くたびに、誰かの背中を押せている感動が増している。ながらも——。私自身は、本当に変わり始めているのだろうか?
そう考えた時、ふと違和感がよぎった。私はブログを通じて思考を整理し、気づきを得てきた。でも、それだけで本当に何がどう変わるのか?気づけたことで、私の現実はどう変わっていくのだろう?そもそも踏み出して、未来の私は何をやっているのだろう?本当に輝いているだろうか?
気づいたからといって
ある日、店の常連である紗希さんが訪れた。40代後半の彼女は、キャリアの転機を迎えていた。
「真紀子さん、ちょっと聞いてもらえますか?」
彼女はため息混じりに言った。
「転職しようか、このまま頑張るか、ずっと悩んでいて・・・。色々考えてみたんです。でも、考えれば考えるほど動けなくなってしまって。」
「分かります・・・。私も最近、そんな気持ちを抱えていたんです。」
「え?」
意外そうな顔をする紗希さん。
「真紀子さんでも?」
「ええ。私はこれまで、コーチングやカウンセリングを受けて、たくさんの気づきを得ました。でも、気づいたからといって、それだけで変われるわけじゃないんですよね。もっと根本的な何かがあるように思えてならないんですけど、雲をつかむような感覚なのよね・・・」
紗希さんは静かに頷いた。
「どうすればいいんでしょう?」
私は、問いに即答できなかった。これまでどれだけの時間をかけて自分を見つめ、学びを深めてきただろう。新しい考え方を取り入れ、マインドセットを変えようと努力してきた。それなのに——。
「気づくことがゴールになってしまっていたのかもしれない。」
気づきの先にあるもの
同時に気づくこと自体の価値を改めて考えた。
「もし気づけなければ、私はこの違和感すら感じなかった。」
気づきは変化のスタート地点。確かに、気づいただけでは変わらないかもしれない。でも、気づきがなければ、行動を変える選択肢すら生まれない。
知識を得ることに満足し、その先の行動が伴わなければ、本当の意味での変化にはつながらない。では、どうすれば行動を変えられるのか?どうすれば生まれ変われるほどの変化を生み出せるのか?『本当や本物の私』とは?
いったん考え出したら、気づいて調子に乗っていた自分が惨めに思えてくる。ブログを書いて喜んでくださる方もいるけど、本当に気づいたと言えるのかしら?結局私は、何も分かっていないじゃない。
その夜、私はふと龍先生の言葉を思い出した。
「本当に変わりたいなら、一度しっかり向き合う時間をとってみませんか?」
当時は、ブログを始めたことで十分に変わっている気がしていた。でも、今なら分かる。
「私は、まだ本当に変わる準備ができていないのかもしれない。」
これまでのコンサルや学びとは違う、新たなステップが必要なのではないか?
翌日、私は龍先生にメッセージを送った。
『もう一度、お話を伺えませんか?』
送信ボタンを押した瞬間、心の中で何かが動き出すのを感じた。
気づきの先にあるもの。いったい何なのだろう?