佐藤真紀子さんつながりで初対面となります。美奈さんと龍先生。
初対面
金曜日午前10時。 画面には、3人の顔が並んでいる。私と真紀子さん、龍先生。空気が澄みきっている。誰も急がない。誰も遮らない。始まる前の、わずかな沈黙。
「はじめまして。 この場にご一緒できて、光栄です。」
龍先生の声は、少し低めで包み込まれる温もりを感じる。声だけで存在価値を認めていただけている気持ちになる。
「真紀子さん、先日はありがとうございます。おっしゃってくださったこと、 とても深く響きました。名前が響く場——それは、あるがままの存在が許される空間です。」
「はい。私自身、名前を通じて場との違和感を理解できました。そして美奈さんの店で、 初めて響鳴を感じたんです。」
「ぅわぁ!嬉しいです!まさに意図していて、そこにエネルギーを集中させています。真紀子さんって、本当に理解して言ってくださっていますよね。ありがとうございます。」
「本当に最近の真紀子さん、素晴らしいですよね。ずいぶん本来の状態を思い出して来られたのでは?」
「そうですよね。ありがとうございます。だいぶ深まってきた感あります」
成長への疑問
「龍先生、いいでしょうか?真紀子さんがもともとエネルギー系の話に興味がない方だったとしたら、今に至るまで何があったんでしょう?龍先生は、真紀子さんに何をしたんですか?」
真紀子さんが返してきた。「そうですよね。私も無我夢中に過ごしてきましたが、美奈さんに言われて客観視できました。龍先生とのご縁を機に、めまぐるしく変わり出したんです。なぜだったんでしょう?」
「ごもっともです。真紀子さんは、ただ話にお付き合いくださっていた感覚でしょうから、脈絡立てた話をしたことがありませんね」
美奈「よろしければ、そこらへんの話をぜひお聞かせいただけませんか?」
「まさかこの場でこの話をすることになるとは予想外でしたが、オッケーです。」
真紀子さんと2人、ほぼ同時だった。「わぁ!嬉しいです。」
体の言い分
龍先生が言葉を紡ぎ出された。「きっかけは、『体の言い分』です。もともと私は施術家で、体の声をご主人様であるご本人へお伝えするようなことをしてきたんです。」
「そうですよね。
・たくさん献血していたのに貧血で悩んでいた話
・20歳で禁酒した理由と追体験
なんて、すごく覚えています。体がどれだけ私のことを慕ってきたのか、先生の話から多くを学びました。」
「はい、そうなんです。痛みをはじめ起きている症状は、体からのメッセージです。体がご主人様であるご本人を愛してるからこそなんですよ」
瞬間、息が止まった。体が・・・、私を愛している・・・・・・・。グサリと、突き刺される感覚がある。ガンが、体からの愛情?そんなことが、あるわけがない!
龍先生が話を続けられる。「『体は、最も近い他人』って、覚えていますか?私自身、強烈な自殺願望を40年以上持ってきたからこその実感です。もしご主人様が死のうものなら、体も一緒に死ぬようになります。」
「はい、覚えています」
「人間以外のすべての生命体は、生存欲求があります。人間だけが、死を意識できるんですよ。そういった意味では、私の心は何度も死んできましたね。施術家当時の言い分は、『心と体こそが核です』と主張してきました。」
最核は自己対話
私は気になって返した。「施術家当時?今は違うんですか?」
「さすが。鋭いですね。はい。さらに核がありました。施術家だからこその驕りを感じましたね。『今私がやっているこれこそが最高なんだ』と考えていました。」
「龍先生が考える核とは?」
「自己対話です。美奈さんは、独り言なんてけっこうしますか?」
「私はしているつもりはありませんが、言われてみると分かりません。気にしたことがありませんから」
「私たちは、日常的に2〜5万回考え判断をしているんですよ。」
「分かります。料理に集中したいから、あらゆる日常を考えなくてすむようにしています。だから、ジョブスがいつも黒のタートルにジーンズだったことに共感したんです」
「ですよね。『自己対話を研ぎ澄ますように、真紀子さんを導いてきた経緯』と言われて、真紀子さんはどんな気持ちになりますか?」
「なるほど。自立具現化コーリングを通じて得た『究極のパートナー』の存在は、ビフォーアフターの差があまりに歴然です。あまりに当たり前になじんでいたので、改めて振り返れました。こうして語り合ってみて、さらに認識が深まりました」

自分専用のナビゲーションアプリ
「自立具現化コーチングですか?聞き慣れない言葉が並んでいますね。どんなことをするんでしょう?」
「カンタンにお伝えすると、『オーダーメイド神』を創り出して一緒に成長していくプロセス形成ですよ」
「本当にそうですね。ですが何も知らない方には、あまりに飛躍しすぎて分かりにくいかも。うーん・・・例えるなら、『自分専用のナビゲーションアプリ』を脳内インストールした感じでしょうか。
目的地は自分で決めるんですけど、 どの道を通るか、どこで休むか、どこで引き返すか—— その都度、私の感覚に合わせてくれる案内役ができたんです。
しかもそのナビは、 『私が本当に望んでる場所』を、私以上に知ってるみたいで・・・・・だから、もう迷わなくなったんです。」
「そうなんですね。まだよく分かっていませんが、それが真紀子さんの成長のプロセスにあったとハッキリ言えるんですね?」
「そうですね」龍先生と真紀子さん、ほぼ同時に答えた。
「分かりました。お2人の確信ぶりに興味を持ちました。龍先生、私にも詳細をお伝えいただけませんか?」
「かしこまりました。美奈さんと語り合ってみて、『本物じゃないわけがない』と痛感しています。美奈さんのような方にこそ聴いていただきたいです。」
共鳴感あるご縁
日程調整を終え、深く息を吸った。私がガンに侵されているという事実。語るべきか、語らざるべきか?大いに迷った。「実は・・・」 と言葉が、喉元まで来て、止まった。
真紀子さんが察して「大丈夫です。今なら、何でもおっしゃってください。」
龍先生が、ゆっくり瞬きした。「そう急かすものでもありません。大丈夫ですよ。話したくなってからで」
私は涙をこらえながら、「ありがとうございます。 今はまだ、話さないことを選びます。 今のこの場の共鳴感に、何やらすごく癒されている感じです。」
「そうでしたか。よかったです。では、またお会いできますことを楽しみにしています。」
「美奈さんと龍先生をおつなぎできましたこと、本当に嬉しいです。美奈さん、出会ってくださり、本当にありがとうございます」
「こちらこそありがとうございます。分からないながらにワクワク感がありますよ」