結論。あなたは断じて孤独ではありません。
許されたらやる気が湧く
先日放映された『プロフェッショナル〜栗原豊さん』に感動しました。依存症回復支援の代表を務めておられ、延べ800人の依存症患者と向き合ってきたそうです。
栗原さんは、第2次大戦当時に生まれ、貧しさゆえに里子に。そこから高校への進学が許されず、アルコール友達が増え、極道の世界へ。薬物に手を染め刑務所へ7回入所したという経歴をお持ちでした。
60歳から担当だった検察官の勧めで依存症回復施設に入り、引き取りがいない方々の骨まで納めるという覚悟をもって臨まれている姿に憧れます。離婚届を突きつけられ、会えなくなってしまった娘さんと再会できたエピソードには心が奮えました。
とても響いた言葉は「許されたらやる気が湧く」です。薬物等やめたくともやめれず、裁判で「最も重い罪にしてください」と請うほどに依存から脱却したかったことが伝わってきました。「許された」と実感できたことで、新たな一歩を踏み出せたのでしょう。
心の闇と酒乱
お恥ずかしながら20歳まで、どっぷり酒に浸かっておりました。17歳から浴びるほど飲み、記憶がなくなり酒乱の様はひどかったようです(全く覚えていないため後日談しか分かりません)。
当時を振り返ってみて思うのは、とにかく恐怖に震えていました。よくニュース番組で「あんなにマジメな好青年が〜」と事件を起こす内容に、《次は俺だ!》と感じていたものです。
抱えてしまっていた心の闇が疼き出し、抑えきれません。恐怖から逃れたいがために、酒に溺れていた20歳の自衛官。初めて酒の味を覚えた頃の味とは、大きく違っていました。痛み止めと同じように、脳との神経経路が一時的に遮断され麻痺しているだけで、酒が抜ければさらに闇の深さが倍化します。
だからこそ理不尽ながら禁酒に至れるご縁をいただき、20歳でやめることができ、今は楽しく飲めるようになりました。闇がなぜできるのか、カラクリを理解できたことは、人生が劇的に変われた大要因です。もう酒乱化することは、確実にないと断言できます。
何を勝手に孤独になってんだょ?
様々な素晴らしいご縁をいただけたからこそですが、ある上司に「何を勝手に孤独になってんだょ?」と叱られたことは、大きなきっかけです。周囲の皆さんは私に関わろうとしているのに、私が扉を頑なに閉ざしていました。だからこそ、私が感じてしまっていた世界は「孤独」なのです。
私という存在は、周囲に損益ばかり生み出すと思い込んでいた事実。
私という存在は、周囲に無価値だと思い込んでいた事実。
私という存在は、周囲に迷惑だと思い込んでいた事実。
に気づいた時、どおりで孤独というカベを作り「マルデダメオ」なんだとつながりました。あなたは周囲に評価される前に、あなたご自身が自己評価しています。
思い込みに気づいたからと、すぐに変われるわけではありません。思い込んでしまう経路の道筋を、望ましい方向へ軌道修正する必要があります。なぜあからさまに変われたのか、振り返ってみて感じるのは、どう考えてもビジョンが明確化されたことに尽きます。誰に批判されようが罵られようが揺るがない、目標設定ができたこと。
自発的かつ主体的に憧れる存在
理想の自分像は、ご自身の中に明快に実在しており、絶えず導こうとしています。心の声に耳を傾けきれる方は、「直感力が長けている」と評されたりもしています。
直感力の構造とは、今までの経験(脳に蓄積された情報)と理想の自分像の訴えがモトになっています。例えば分かりやすくサンドイッチを食べたいと感じたとしましょう。表面的には直感でもサンドイッチが食べたくなるような要因が脳内にあるのです。
湧いてきた直感に対する確信をいかに持つか?ご本人の解釈しだいで、「屈折して口にする勇気がない」 or 「毅然と振る舞い雄弁に語るか」で大きく左右されます。
結論。あなたは孤独ではありません。絶対に。未来のあなたが喉が枯れるまで叫び続けているにもかかわらず、あなたが頑なに閉じこもっているだけなのです。
「理想の自分は存在している」と断言できる根拠は、過去の過ちはじめ記憶を蘇らせるのはカンタンです。そこに過去の自分像、いらっしゃいませんか?過去はいても、未来にはいないのでしょうか?過去のあなたが、いかにあなたを突き放そうとも、未来のあなたは違います。
あなたご自身の未来像が明快化された時、あなたの世界はまるっきり変わってしまいます。なぜならやらせではなく、自発的かつ主体的に憧れる存在が、あなたの目の前に現れるのですから。