揺らぎ〜藤堂富美子さん物語2

揺らぎ〜藤堂富美子さん物語2

初コメント

佐藤真紀子さんのブログを開くのは、もう何度目だろう。最初はただ読んでいた。けれど、読み返す都度、言葉が自分の内側に深く沁み込んでいくのを感じる。

「私は、誰の人生を生きてきたんだろう?」「私が追い求めてきた幸せって何?」そんな問いが浮かんでは消える。ブログの一文に、ふと目が止まる。

「自分にまとう言葉を洗練し改めるだけで、人生は変わるのかもしれません。」

これまで、私は「まとうもの」として、帯や衣装のことしか考えたことがなかった。今、「言葉をまとう」という感覚を、初めて知ったのかもしれない。

ページの下部、「コメントを残す」という欄。そこにカーソルを合わせるだけで、指先が震える。

文章を書いては、消した。
「素敵な文章でした」
「私も娘を持つ母です」
「舞を生きてきました」
どれも、本当の気持ちではあるけれど、どこか誰でも書ける言葉のように思えてならない。そもそも「本当の気持ち」とは?真紀子さんの言葉を読むほどに、「私は自分の人生を生きようとはしていなかった」のだ。

芸名と本名の揺らぎ

私は今、「誰として」書くのか。それが最も難しかった。芸名「藤間 美雅(ふじま みやび)」なら、何度もTV出演したこともある。本名は、役所に用がある時くらいにしか使うことがない。娘の言葉を機に、「名取り」という権威に、全く価値を感じなくなっている。今までこんなこと初めて。

いろいろ考えようやく、1行目にこう記した。

「佐藤 真紀子 様
はじめまして。藤堂富美子と申します。」

書いた瞬間、胸の痛みを感じた。私の名前は、私がずっとまとうことで守ってきた「型」そのものだった。

「この名前を、公共以外で誰かに見せるのは、何年ぶりだろう?」心の中でそう思いながら、続けて書いた。

「長年、日本舞踊を通して生きてきました。今、思いがけず自分が崩れていく音に耳を澄ませています。

あなたの文章に、女性らしいしなりと凛とした覚悟を感じました。どこかで・・・・舞と同じ匂いを感じます。

勝手ながら、コメントさせていただきました。ありがとうございます。」

送信ボタンに指を置いたまま、しばらく動けなかった。この差し出すという行為に、まさかこんなに多くの感情が詰まっているなんて。その時ふと──「これでいい」という思いが、胸に沁み渡っていった。

心の揺らぎ

次の日。返信が届いた。

「藤堂富美子さん──お名前の響きに、舞うような静けさと強さを感じました。
コメント、心より嬉しく読ませていただきました。『自分が崩れていく音』とはどういうことなんでしょう?よろしければ、ぜひお聴かせいただけませんか?」

たったそれだけの言葉だったが、感極まる思いが込み上げてくる。娘の一言から今までで最も「届いた」と思える言葉だった。真紀子さんへなら、この心の揺らぎを言葉にしてもいい──そう思えてしまう。

舞台でもTVでも、いかなる状況でも物怖じすることはなかった。真紀子さんからは、私の虚無感や偽者感を見透かされそうだ。逆を言えば、それだけ真紀子さんに見てほしい。・・・いや、見抜いてほしいのかもしれない。

──そして、娘のことが脳裏によぎった。

娘に今までの過ちを謝罪しても、本当の意味でお互いのわだかまりが消えることはないだろう。謝罪よりも、「雅子のおかげで」と言えるようなことになれば、感動を分かち合える。きっと雅子は、そんな結末を願っているのではないだろうか?

#舞台
#自分の人生
#娘
#感情
#日本舞踊

投稿者:

RyuAnshin

Universal Flow Therapy 健創庵 龍 庵真(りゅうあんしん)と申します。
 少なくとも20万人超のお名前と向き合わさせていただいた経緯から、生き方より理想を創り出す「姓名承認マイスター」を広げています。 
 究極のセルフマネジメントで自立成長を応援。 絶対に目標達成したい方へ、未知の可能性を実感の理想具現化サポート。 
 
 15才で自衛官となり、出身地の長崎よりも首都圏での生活が2/3となりました。 
 私自身のセルフイメージが強烈に低く、どんなに素晴らしいことをしても、悪い意味でバランスをとるような出来事が起きていました。 マジメに生きようともがきつつも、運命の荒波に翻弄され続けた期間は、30年を超えます。 
 今まで一貫してお伝えしてきたのは、 本当の癒しは、ご自身にしかできません。 
 「立名コーチング」という独自の理論により、 ・過去と未来を今ココに集約させ ・理想とする未来のご自身からアドバイスを受ける ・理想とする未来のご自身を発信源に、過去の記憶を癒す 方法を編み出しました。 
 世界中にiPhoneレベルで 「理想の自分像って?」 を訊き合って認め讃え合えている感動世界を見るために、今を生きています。 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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