本音の発掘〜田中健太郎さん物語5

健太郎さん、頭の中で強烈リピート。言葉にできないもどかしさ。

本音の発掘〜田中健太郎さん物語5

オンライン面談の翌朝。私は、昨日の感覚を反芻していた。

「名前に、そんな意味があったのか・・・」

ただの文字列だったはずの「田中健太郎」という名。どこにでもあるような何の変哲もない私の名前に、私にしか持ち得ない「中心軸」のようなものを感じていた。まるで、忘れかけていた地図を手にしたかのような感覚だ。

ライフプロファイリングに関しても、初めて聞いたが大いに興味を持った。海だからこその包容力と、よくも悪くも環境に影響を受けてしまう情熱。
・燃やしたいのに燃やせない(赤)
・守りたいのに、動けない(公)
・流れたいのに、淀んでいる(海)

本来「流れてこそ活きる海」が止まってしまっていたのだ。だからこそ、「何をどうやりたいのか?」「自ら決め動く」「自ら問い、答えを見つける」が重要となってくる。

妻 恵美子に昨日の話をしようか迷ったが、結局、言葉にできずじまいだった。まだ表現できる状況ではない。話したところで、何を言っているのか怪訝な表情がイメージできた。

客観的評価

会社の作業場に入ると、現場に出る前の社員たちが慌ただしく準備している。社員の1人 山本が近づいてきて一言。

「社長、昨日の打ち合わせの件、ちょっと確認いいですか?」

「うん、頼む」

山本がふとつぶやいた。「・・・社長、やっぱなんか変わりましたよね」

「そうか?」

「うん。雰囲気が、いい意味でラクになったというか。なんか、こっちも話しやすいっす。声にはどこか柔らかさがあるし、表情もなんとなく余裕を感じます」

微笑みながら、心の中で思っていた(そうかもしれないな・・・恵美子が言うとおり、まとっていた何かが、少しゆるんできてるのかもしれない)。頑なだった執着が、内側から緩んできた手応えがある。

職人としてたたき上げで今までやってきたが、社長の器とは1職人としての役割ではない。社員たちを見守りながら、考えたとおりに舵を操作していくことが問われている。分かっていたようで、理解しきれていなかった気づきを得た。

「赤海公」としての生き方

夜、ひとりノートを開く。『赤海公』。

「情熱と、包容と、調和・・・全部、中にあったものだったんだな。私が勝手にダメだと決め込んでいただけなのでは?」

燃え尽きたわけじゃない。燃やし方を忘れていただけだ。火は、風がなければ広がらない。息を吹き返すためには、「場」「酸素」が必要だ。そして今、少しずつそれが整い始めている気がした。

「私の赤は、まだ終わっちゃいない。これからだ。今まではガッカリするようなご縁ばかりだったが、これからは違う。私の中に秘めた火を大切にしながら、自主的に関わっていこう」

本音の発掘

夕食後、恵美子に声をかけた。「なあ、ちょっと時間あるか?」

「うん?」

「昨日、面談受けたんだ。名前の意味とか、自分の生まれ持った性質とか、いろいろ聴けた」

「へぇ、どうだった?」

「・・・正直、泣きそうになった。なんていうか、ずっと、自分に期待しなくなってたみたいでさ」

「・・・うん」

「でもな、昨日ちょっとだけ思えたんだ。『私の人生、まだまだ巻き返せる』って」

恵美子は黙ってうなずいた。私も多くを語らなかった。だがその会話の余白が、今の私には十分だった。

——私自身に、「期待してもいい」と思えたこと。これこそが「本音の発掘」ということなのかもしれない。「私は自分に期待してもいい」ずっと言い出したかったのだ。


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投稿者:

RyuAnshin

Universal Flow Therapy 健創庵 龍 庵真(りゅうあんしん)と申します。
 少なくとも20万人超のお名前と向き合わさせていただいた経緯から、生き方より理想を創り出す「姓名承認マイスター」を広げています。 
 究極のセルフマネジメントで自立成長を応援。 絶対に目標達成したい方へ、未知の可能性を実感の理想具現化サポート。 
 
 15才で自衛官となり、出身地の長崎よりも首都圏での生活が2/3となりました。 
 私自身のセルフイメージが強烈に低く、どんなに素晴らしいことをしても、悪い意味でバランスをとるような出来事が起きていました。 マジメに生きようともがきつつも、運命の荒波に翻弄され続けた期間は、30年を超えます。 
 今まで一貫してお伝えしてきたのは、 本当の癒しは、ご自身にしかできません。 
 「立名コーチング」という独自の理論により、 ・過去と未来を今ココに集約させ ・理想とする未来のご自身からアドバイスを受ける ・理想とする未来のご自身を発信源に、過去の記憶を癒す 方法を編み出しました。 
 世界中にiPhoneレベルで 「理想の自分像って?」 を訊き合って認め讃え合えている感動世界を見るために、今を生きています。 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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