これはどこに載っており、誰が作った文章なのかも分かりません。読んでみて超号泣し、たくさん転送してすごく喜ばれました。ご存じな方も多いでしょうね。
人は誰しも変われる可能性を、無限に持ち合わせています。
この少年は、確実に運命を変えていますね。原因は、ある時点で運勢が変わったからです。その運勢を喜んで大切にし続けたからです。ある座標の数直線で、運勢という数直線上の点の角度を少しずつでも変えていけば、軌道上にある運命は確実に変わっていきます。
最後の「母の席に~」は、もぉ泣けて泣けて・・・。
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目が開かれた瞬間
私が五年生の担任になった時、一人服装が不潔でだらしなく、どうしても好きになれない少年がいた。中間記録に私は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。
ある時、少年の一年生からの記録が目に止まった。『朗らかで、友達が好きで、人にも親切。勉強もよくでき、将来が楽しみ』とある。間違いだ!他の子の記録に違いない!そう思った。
二年生になると
『母親が病気で世話をしなければならず、時々遅刻する』と書かれていた。
三年生では
『母親の病気が悪くなり、疲れていて、教室で居眠りする』
三年生の後半の記録には
『母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる』
とあり、四年生になると
『父親は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力をふるう』
胸に激しい痛みが走った。ダメと決めつけていた子が突然、深い悲しみを生き抜いている生身の人間として立ち現れてきたのだ。私の目が開かれた瞬間であった。
お母さんの匂い!
放課後、少年に声をかけた。
『先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから』
少年は初めて笑顔を見せた。それから少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。授業で少年が初めて手をあげた時、大きな喜びが湧き起こった。少年は自信を持ち始めていた。
クリスマスの日の午後。少年が小さな包みを私の胸に押しつけてきた。あとで開けてみると、香水の瓶だった。亡くなったお母さんが使っていたものに違いない。私はその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、気がつくと飛んできて、私の胸に顔を埋めて叫んだ。『あぁ、お母さんの匂い!今日は素敵なクリスマスだぁ!』
カード
六年生では、私は少年の担任ではなくなった。卒業の時、少年から一枚のカードが届いた。
『先生は僕のお母さんのようです。そして、今まで出会った中で一番すばらしい先生でした』
それから六年。またカードが届いた。『明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担当してもらって、とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができます。』
十年を経て、またカードがきた。そこには出会えたことへの感謝と、父親に叩かれた体験があるから患者の痛みが分かる医者になれる・・・と記され、こう締めくくられていた。
『僕はよく五年生の時の先生を思い出します。あのままダメになってしまう僕を救ってくださった先生を、神様のように感じます。大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、五年生の時に担任してくださった先生です』
そして一年。届いたカードは結婚式の招待状だった。
『母の席に座ってください』
と一行、書き添えられていた。