
新しい未来に向かって歩み始めた。決断したことで、確かに気持ちは軽くなった。しかし・・・現実的な行動を積み重ねていく中で、また1つの壁にぶつかった。
「本当にこれでいいのだろうか?」
決意したはずなのに、どこか不安が拭えない。私が目指すものは、確かに自分の内側から湧き上がってきていた。それでも何かが足りない気がしてならない。
そんな時、龍先生との再々対話が実現した。
「進み始めて、どうですか?」
「決断はしました。実際に動き始めると、思っていたよりも迷いが出てきて・・・。」
「どんな迷いですか?」
「・・・私が進もうとしている道は、本当に私が望んでいる道なんでしょうか?」
龍先生は静かにうなづいた。
「とても自然な感覚ですね。実は、多くの方が覚醒したら通る道なんです。」
「そうなんですか?」
「ええ。決断すると、気持ちは一時的に晴れます。その後、具体的な行動に移すと、新たな疑問が生まれるんです。」
大きくうなづいた。まさに今の私の状態だ。
「ではどうすれば迷いを解消できるんでしょう?」
決断力と胆力
まずは、決断力と胆力について。興味ありますか?
「はい。すごくあります」
「決断力とは、背景に『どれだけ考え悩んできたか?』があります。分かりやすく大谷翔平。彼は、2刀流を決断する上で、どれくらい考えていたでしょう?散々コケ落とされましたが、絶対に揺らぎませんでしたよね?」
「そうですよね。スゴイと思いました」
「49.9 VS 50.1みたいな状況でも、決めないといけない時期って、真紀子さんにもあったんじゃないですか?」
「そこまでの僅差はまだありませんが、確かに何度もありました」
「当時のことを思い浮かべてみてください。すごく悩み苦しみませんでしたか?決断力は、悩み苦しんできた期間や強さと比例関係にあります。では、胆力については、聴いたことありますか?」
「いえ、初めてです。」
「経営者にはすごく重要だとみなしています。私の解釈では、決めたことを正解とする力。」
「確かにすごく重要ですね」
「さっきの49.9 VS 50.1に例えてみましょう。決断できても、これだけの僅差なら迷いが生じないわけがありません。いったん決めた以上は、決めたことが正解だと信じきること」
「本当にそのとおりですね」
「今までの真紀子さんの話を聴かせていただくなら、迷ってきた期間は長そうですね。だとしたら胆力側の強化でしょうか?」
「はい。私もそう思います。決めたことを正解とするには、どうすればいいんでしょう?」
◯年後の私が伝えたいこと
「まず、真紀子さんが目指すイメージの具体的な鮮明化ですね。本当に求めている未来の真紀子さん像とは、どんなものなのか?」
「・・・・・・未来の私?」
「そうです。では、少し思い描いてみましょう。もし軌道に乗って楽しんでいる◯年後の真紀子さんが、今の真紀子さんに声をかけるなら、どんな言葉をかけるでしょう?」
考え込んだ。◯年後の私が、今の私に何を伝えたいのか?
「・・・・大丈夫、そのまま進んで」ふと湧いてきた言葉。
龍先生が微笑んだ。
「それが、真紀子さんが心の奥で感じていることです。◯年後の真紀子さんは、今の真紀子さんの決断を肯定してくれているのでは?」
静かに息をついた。
「確かに・・・。まだ迷っているんではなく、確認したかったのかもしれません。」
「そのとおりです。覚醒した直後は、心が揺れやすい。でも、未来の自分を信じているなら、信じて進むことが胆力の原動力です。」
ゆっくりと頷いた。進みたい道の輪郭が、少しずつハッキリしていくのを感じた。
「私が望んでいる未来に向かって、もう一歩踏み出します。」
初夏の風が、背中を押してくれているようだった。