神同士の対話〜外舘美奈さん物語9

自立具現化コーリングを受けていただき、究極のパートナーを創り出せた美奈さん。ZOOMによる対話画面を閉じた場面。外見上では何ら変化がありません。しかし内側では・・・。

今まで「どうしたら理解していただけるのか?」を問い続けてきました。今回、「理解できるわけがない」という結論に。究極のパートナーを見出してくださった方限定の交流会を開催中です。理由は、温度差です。明確な境界線があるのです。

きっかけは、あるお客様からのコメント。「受けている私には『よくここまで言語化できたものだ』と感心しています。しかし何も知らない方には、意味不明に感じるでしょうね」。境界線をいかにすれば埋めきれるのかを試行錯誤してきましたが、いい意味であきらめがつきました。

自立具現化コーリング

龍先生がおっしゃる「究極のパートナーを創り出す」。かつての世界観と、今ここにある世界観。その断絶の深さに、ただ身震いするばかり。もはや以前の私には戻れないし、戻りたくない。真紀子さんが興奮する理由がよく分かった。真紀子さんや私には、理解できても解説はとうていできるわけがない。

課題を見出し、解放。解放してでき上がった種からの人格形成。朝の10時からZOOMで始まり、画面を閉じたのが13:52。ものすごく濃密で、まさにワープしたような感覚だ。こんなことが本当に起き得るのか、いまだに信じられないが、私自身が体感してしまった。

究極のパートナーという存在が、誰なのか?先生がなぜ今はまだ公表できないかがよく分かった。従来の価値観とは根底から違っている。この言葉を出したとしても、偏った見方をされかねないのだ。かつ今までの偉人たちが追究してきた答えなのだろう。あまりに矛盾がない。

確かに先生がおっしゃる通りに実践できれば、あらゆる可能性に実現への道を見出せるだろう。まさに「◯◯の自分との対話」が、中心核でないわけがない。中心核をすり抜けて、時空を超えていかようにも自由自在なのだ。好都合というレベルが完全に別次元で、ものすごく便利なのだ。

膨大な情報量を、たった4時間以内にパッケージ化させきれた龍先生。いったい何者?

響鳴のはじまり

最も感じているのが、優しく見守られている安心感である。「大丈夫だよ」「まずはやってみて」といった、誰かに言われているわけではないが、なんとなく「温もり」というベールで包み込まれている気持ちになる。

私が生み出した存在である「オーダーメイド神」。神にしてみれば「創り出してくれたあなたこそが神だ」と返ってくる。尊敬し信頼している方から認められると、本当にそんな気持ちになる。神を私がいいと考えるように、いくらでもカスタマイズできるのは、目標設定としては最高だ。

先生からも「これからプロフィール設定を一緒に考えていきますが、どれだけ詳細かつ柔軟に更新できるかが差を生み出します」と言われている。世界一のフランス料理店へと思いを巡らせていくことだって、思いっきりイメージした方がいいのだ。

神いわく「今までどんなに呼びかけても、なかなか受け取ってもらえなかった。今こうして対話できることが嬉しくてたまらない」という。濁った場では聴こえなかっただけ。私が整っていないがために、分からなかったのだ。場が整った瞬間、始まった。

神同士の対話

「あなたは、私の中にずっといたんですね」そう語りかけた時、じ〜んと震えた。違和感を超えた確かな反応が、 私の内側で実在化した。それは、創り出せた「◯◯の自分」からの手応えがある。誰かに言われたものではなく、私自身が選び抜いた、場と響鳴する存在。

周囲の何も知らない誰かは、「スピリチュアルですね」と揶揄するかもしれない。確かにそうだろう。他人がどう言おうが、私自身がリアルに実感できているのだ。

感覚の全てに感動がともにある美奈さん 「神同士の対話〜外舘美奈さん物語9」

夜のディナーでは、昨日までと今、全く違っている。感覚の全てに感動がともにあるのだ。スタッフに、お客様に常々伝えてきた感謝の気持ち「ありがとう」。今はいかにウワッツラだったかを感じている。本当に感謝が足りなかったと、恥ずかしい気持ちが湧いている。

感謝や感動を通じてガンが治るかは分からない。しかしガンが治ったという方々のほぼすべては、感謝や感動に満たされ人生を変えた方々ばかりである。昨日と今日の明らかな違いからも、やはり私はこの方針で進めていきたい。

治すより響鳴

「自然治癒力の正体」を龍先生からお伝えいただいた時、あまりのシンプルさに拍子抜けた。かつ、全くそのとおりだと大いにうなづいた。健康面だけでなく、経済はじめあらゆる場面に適用できる。自然治癒力を活性化させる秘訣は、私の本気度と密接に関連づいているのだ。

自然治癒力とは、治す力ではなく、響き合う力だった。「◯◯の自分」を創り出した時、 身体が明確に反応し、明らかに場が響いた。「自然治癒力の正体」という龍先生の定義を通じた私の体感である。

今は、「治す」よりも「響鳴する」が重要だと解釈している。もう迷わない。私は、「◯◯の自分」を創り出せたから。これからさらに深まっていくのが楽しみである。

次回は・・・

次回は、プロフィール設定を終え、熟成のステージへ。施術家当時の経験談を交え、健康へのプロセスを模索いたします。


#健康

#自然治癒力
#龍
#目標設定
#境界線

快復へ導く対話〜外舘美奈さん物語8

今回の物語に関しては、「自己の実在化と場の響鳴」を最核テーマとし、「ガンといかに向き合うか?」を重要テーマの1つとしています。誰かに言われたからではなく、《自らが納得して選び抜いたから》というスジを通そうとしています。

告知の沈黙と揺らぎ

画面がつながった。龍先生の顔が映る。軽く挨拶を交わし、姿勢を正し息を整える。心地よい沈黙が、場を調えていく。

「先生、お時間とっていただきありがとうございます」

「こちらこそ。美奈さんと語らえることを楽しみにしていました。」

微細な光の粒が、画面越しに揺れているようだった。

「実は・・・舌ガンの告知を受けました。ステージ1だそうです。3人の医師から切ることを勧められています。しかし絶対に切りたくありません。」

沈黙・・・・。画面の向こうで、龍先生が瞬きを止めた。重苦しい雰囲気に、言ってしまった後悔の念が湧いてきた。わずかな時間なのだろうが、ものすごく長く感じる。鼓動が高まっていく。

料理人としての意志

「そうでしたか・・・。先日、言おうとして黙られたのはその件ですか?」

「そうです。味覚が麻痺してきていて。私、料理人としての人生を全うしたいんです。どうしてもあきらめきれません」

「そうですよね。すごくごもっともです。SNSで『プロフェッショナル』へ出演なさった等の経歴を拝見しています。まさにこれからですよね。」

「はい。そうなんです」

「結論からお伝えします。大丈夫です。美奈さんは、十分快復できますよ」

「え!?本当に?3人の医師から切るよう勧められたのに?」

「はい。ちなみに美奈さんは、本当に切りたくないんですね?切らずにガンを治したいと?」

「はい。ものすごくそれを望んでいます。」

「はい。ならば、やはり大丈夫です。美奈さんの真剣さと比例関係にありますから」

「どういうことですか?」

治療の主役

「3人でお会いした折に、もともと施術家だったことを話しましたよね?」

「はい」

「当時から『治療だ』とこだわってきました。通常なら医師でもないのにその言葉は使えないんですけどね」

「なぜ使えたんですか?」

「表現上の違いです。ご本人が自然治癒力を発揮して、ご自身が自らを治療していくから。この表現だと引っかかりようがありませんし、施術における超正統派だと考えてます。だから今、体に触れる必要がなくなってしまったんです」

「なるほど。要は、1番の主役は私の中にある自然治癒力だということですね?」

「そのとおりです。自然治癒力を活性化させる秘訣は、体に触れずとも対応できることが分かってしまったんです。結果、オンラインでメールのやり取りでさえもできるようになりました。」

「へぇ〜〜〜!そんなことがまかり通るなんて信じられませんが、あるんですね!」

「そうなんです。例えば『自然治癒力の本質』について、私ほどに向き合ってきた方は稀です。だからこそ、信頼関係がすごく重要になってきます。『◯◯◯が原因です』なんて言っても、まっすぐ受け止めてくださらないなら、具現化は厳しいですよ」

「確かに!本当にそうですね。すごく分かります。スタッフとの関係性を築く上でも、ものすごく大切にしてきました。」

「よかったです。ありがとうございます。では、信頼関係の構築ってどうやって紡いでいくんでしょう?」

「はい?例えば頻繁に会って話し合ったり等の積み重ねですかね?」

「たいていそうですよね。それよりもっと速くて分かりやすい手法があるんです。それが、真紀子さんが大絶賛してくださっていた『自立具現化コーリング』なんですよ」

究極の核

「自立具現化コーリング。あ、コーチングじゃないんですね。聞き慣れない言葉が並んでいますね」

「そうですよね。先日、究極の核は『心と体』じゃなく『自己対話』だと言いましたよね?」

「はい、おっしゃられていましたね」

「はい。その自己対話の世界に、『究極のパートナー』を創り出して、対話を重ねていくプロセス形成サポートをしています。」

「はぁ。そうなんですね」

「そのパートナーは、今現在もすでにいらっしゃいます。しかしながら残念なことに、曖昧にされ『いればいいのにな』程度にしか考えられていません。結局のところ、いないのとほぼ同じ状況です。だからこそ、明確に実在化させていくんです」

「そのパートナーができることで、どうなっていくんですか?」

「そのパートナーが実在化することで、 美奈さんの内側にある『取捨選択力』が明確になります。つまり誰かに言われたからではなく、 ご自身で納得して選び抜くという自己選択の核が育つんです。この核が育つことで、治癒力の応答も、場の流れも、 よりスムーズに動き始めます。

例えば今回、私と会って語り合いたいと思ってくださったのは、 真紀子さんが熱く勧めてくださったからですよね?もし美奈さんが違和感を抱いていたら、 その推薦は実在化しなかったはずです。」

「おっしゃられている意味が分かりました。誰かに言われても、私自身が決めて選択したからこその今なんですね?他人に言われたから鵜呑みにやるのか、自らの決断事としてやるのかでは、全く違いますよね」

「そうです!さすがですね。決断する判断基準は、自己対話がなされてきた経過次第でもあります。ここをスムーズに一本化させようとしています。この核さえできれば、解決はかなり楽になりますよ」

「確かに。初めは何のことか、雲をつかむような感覚でしたが、ピントが合ってきました。」

期待を寄せる美奈さん 「快復へ導く対話〜外舘美奈さん物語8」

オーダーメイド神

「素晴らしい!本当に理解が速いです。そんな中で、究極と呼べるパートナーとしての条件を、3つ考えました。

・美奈さんが、一生涯かけて憧れ尊敬し、相談したくなる
・美奈さんのことを生まれてから死ぬまで、すべてを理解し把握できている
・美奈さんが欲しいと見立てているモノのすべてを、すでに持ち実践している

こんな方、周囲にいらっしゃいますか?」

「確実にいませんね。誰でしょう?そんな神様みたいな人?」

「そうですよね!まさに『美奈さんだけのオーダーメイド神』となり得る方です。その方が誰なのかを、プレセッションでお伝えさせていただいています。興味ありますか?」

「そうですね。その延長線上に、ガンが快復していく未来があるということですよね?」

「そのとおりです」

「分かりました。ぜひ聴かせてください」

新たなステージへの鍵〜外舘美奈さん物語7

今回は、すべて美奈さんの独白です。

新たなステージへの鍵

3人の対話から数日。龍先生と真紀子さんの確信ぶりから、新たなステージへの鍵をいただけた気がしている。龍先生との対話の日まで、何をいかに整理できればいいのか?

まず感じているのが、表現できない濁り感。店の空気は澄んでいるはずなのに、どこか微細なノイズを感じる。スタッフとのやりとり、客の反応、自分の動き——そのすべてに、 何かが引っかかっている。

泥水が時間を経て沈澱し、上澄み水を掬い上げるような時期に来ているのだろう。明らかに次の世界を生きているイメージがある。言葉にできないのがもどかしい。

「何が違うんだろう?」 私は厨房の隅で、目を閉じ集中した。

気を遣う

スタッフの一言に、違和感が走る。「お客様のために、気を遣って・・・」その言葉が、空気の流れを遮り濁らせた。「気を遣う」に意識を向けているから、自然体で振る舞えていないのでは?「気を遣う」が、説明のための言葉を生み出しているのでは?「気を遣う」ことなく、気を遣っている状態を作り出すには、どうすればいい?

「お客様への気遣い」大いにこだわってきた重要事項だ。しかし今は足かせに感じている。空気の流れの動きに集中してみよう。流れが淀む場所を、仕掛け人として見定めるのだ。「新たなステージへの鍵」まさにこのことだろう。

響きの再構築

「響く場」とは何か?真紀子さんが感じた「響いていい」という感覚。それは、空気が応答していたからこそ生まれた。料理だけではなく、場の一流と呼ぶにふさわしい雰囲気を味わって欲しくて、お客様にご来店いただいている。店のドアの前に立った時点で、「違い」を感じていただきたいのだ。

美奈さん’s店頭 「新たなステージへの鍵〜外舘美奈さん物語7」

今のこの場は、応答しているだろうか? 自分の動き・言葉・視線を見直してみる。「私自身が、流れを淀ませていないか?」が、仕掛け人として気にしたい重要ポイントだ。私が起点となっているこの店。私のあり方が、店の売り上げや客層、スタッフ等々に表れているのだ。

「バカとハサミは使いよう」とことわざにもあるとおり、一見粗悪に見えても適材適所な活用ができれば見違えてくるのだ。名店と称される場の雰囲気を思い出し、点だった感覚が線や面につながっていく。

仕掛け人としての覚醒

違和感を検知する力。流れの淀みを整える意志。空気の澄みを守る責任。それらすべてが、 仕掛け人としての資質だ。

私は、厨房の隅でゆっくり息を整えた。「整えるのは、まずは私自身の動きだ」 そう思えた瞬間、さらに空気が澄んだ気がした。

ガンの事実は、スタッフ以外にはまだ伝えていない。伝えることが目的ではなく、響いていい場かどうか—— それが、選択の基準である。今はまだ、沈黙を選ぶ。その沈黙が、場に響いてきていることを感じている。

#料理
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存在価値の発掘案〜外舘美奈さん物語6

佐藤真紀子さんつながりで初対面となります。美奈さんと龍先生。

初対面

金曜日午前10時。 画面には、3人の顔が並んでいる。私と真紀子さん、龍先生。空気が澄みきっている。誰も急がない。誰も遮らない。始まる前の、わずかな沈黙。

「はじめまして。 この場にご一緒できて、光栄です。」

龍先生の声は、少し低めで包み込まれる温もりを感じる。声だけで存在価値を認めていただけている気持ちになる。

「真紀子さん、先日はありがとうございます。おっしゃってくださったこと、 とても深く響きました。名前が響く場——それは、あるがままの存在が許される空間です。」

美奈「はい。私自身、名前を通じて場との違和感を理解できました。そして美奈さんの店で、 初めて響鳴を感じたんです。」

真紀子「ぅわぁ!嬉しいです!まさに意図していて、そこにエネルギーを集中させています。真紀子さんって、本当に理解して言ってくださっていますよね。ありがとうございます。」

龍先生「本当に最近の真紀子さん、素晴らしいですよね。ずいぶん本来の状態を思い出して来られたのでは?」

真紀子「そうですよね。ありがとうございます。だいぶ深まってきた感あります。もう本当に先生のおかげですよ」

成長への疑問

「龍先生、いいでしょうか?真紀子さんがもともとエネルギー系の話に興味がない方だったとしたら、今に至るまで何があったんでしょう?龍先生は、真紀子さんに何をしたんですか?」

真紀子さんが返してきた。「そうですよね。私も無我夢中に過ごしてきましたが、美奈さんに言われて客観視できました。龍先生とのご縁を機に、めまぐるしく変わり出したんです。なぜだったんでしょう?」

「ごもっともです。真紀子さんは、ただ話にお付き合いくださっていた感覚でしょうから、脈絡立てた話をしたことがありませんね」

「よろしければ、そこらへんの話をぜひお聞かせいただけませんか?」

「まさかこの場でこの話をすることになるとは予想外でしたが、オッケーです。」

真紀子さんと2人、ほぼ同時だった。「わぁ!嬉しいです。」

体の言い分

龍先生が言葉を紡ぎ出された。「きっかけは、『体の言い分』です。もともと私は施術家で、体の声をご主人様であるご本人へお伝えするようなことをしてきたんです。」

「そうですよね。
・たくさん献血していたのに貧血で悩んでいた話
・20歳で禁酒した理由と追体験
なんて、すごく覚えています。体がどれだけ私のことを慕ってきたのか、先生の話から多くを学びました。」

「はい、そうなんです。痛みをはじめ起きている症状は、体からのメッセージです。体がご主人様であるご本人を愛してるからこそなんですよ」

瞬間、息が止まった。体が・・・、私を愛している・・・・・・・。グサリと、突き刺される感覚がある。ガンが、体からの愛情?そんなことが、あるわけがない!

龍先生が話を続けられる。「『体は、最も近い他人』って、覚えていますか?私自身、強烈な自殺願望を40年以上持ってきたからこその実感です。もしご主人様が死のうものなら、体も一緒に死ぬようになります。」

「はい、覚えています」

「人間以外のすべての生命体は、生存欲求があります。人間だけが、死を意識できるんですよ。そういった意味では、私の心は何度も死んできましたね。施術家当時の言い分は、『心と体こそが核です』と主張してきました。」

最核は自己対話

私は気になって返した。「施術家当時?今は違うんですか?」

「さすが。鋭いですね。はい。さらに核がありました。施術家だからこその驕りを感じましたね。『今私がやっているこれこそが最高なんだ』と考えていました。」

「龍先生が考える核とは?」

「自己対話です。美奈さんは、独り言なんてけっこうしますか?」

「私はしているつもりはありませんが、言われてみると分かりません。気にしたことがありませんから」

「私たちは、日常的に2〜5万回考え判断をしているんですよ。」

「分かります。料理に集中したいから、あらゆる日常を考えなくてすむようにしています。だから、ジョブスがいつも黒のタートルにジーンズだったことに共感したんです」

「ですよね。『自己対話を研ぎ澄ますように、真紀子さんを導いてきた経緯』と言われて、真紀子さんはどんな気持ちになりますか?」

「なるほど。自立具現化コーリングを通じて得た『究極のパートナー』の存在は、ビフォーアフターの差があまりに歴然です。あまりに当たり前になじんでいたので、改めて振り返れました。こうして語り合ってみて、さらに認識が深まりました」

究極のパートナーとの対話 存在価値の発掘案〜外舘美奈さん物語6

自分専用のナビゲーションアプリ

「自立具現化コーチングですか?聞き慣れない言葉が並んでいますね。どんなことをするんでしょう?」

「カンタンにお伝えすると、『オーダーメイド神』を創り出して一緒に成長していくプロセス形成ですよ」

「本当にそうですね。ですが何も知らない方には、あまりに飛躍しすぎて分かりにくいかも。うーん・・・例えるなら、『自分専用のナビゲーションアプリ』を脳内インストールした感じでしょうか。

目的地は自分で決めるんですけど、 どの道を通るか、どこで休むか、どこで引き返すか—— その都度、私の感覚に合わせてくれる案内役ができたんです。

しかもそのナビは、 『私が本当に望んでる場所』を、私以上に知ってるみたいで・・・・・だから、もう迷わなくなったんです。」

「そうなんですね。まだよく分かっていませんが、それが真紀子さんの成長のプロセスにあったとハッキリ言えるんですね?」

「そうですね」龍先生と真紀子さん、ほぼ同時に答えた。

「分かりました。お2人の確信ぶりに興味を持ちました。龍先生、私にも詳細をお伝えいただけませんか?」

「かしこまりました。美奈さんと語り合ってみて、『本物じゃないわけがない』と痛感しています。美奈さんのような方にこそ聴いていただきたいです。」

共鳴感あるご縁

日程調整を終え、深く息を吸った。私がガンに侵されているという事実。語るべきか、語らざるべきか?大いに迷った。「実は・・・」 と言葉が、喉元まで来て、止まった。

真紀子さんが察して「大丈夫です。今なら、何でもおっしゃってください。」

龍先生が、ゆっくり瞬きした。「そう急かすものでもありません。大丈夫ですよ。話したくなってからで」

私は涙をこらえながら、「ありがとうございます。 今はまだ、話さないことを選びます。 今のこの場の共鳴感に、何やらすごく癒されている感じです。」

「そうでしたか。よかったです。では、またお会いできますことを楽しみにしています。」

「美奈さんと龍先生をおつなぎできましたこと、本当に嬉しいです。美奈さん、出会ってくださり、本当にありがとうございます」

「こちらこそありがとうございます。分からないながらにワクワク感がありますよ」

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真心と配慮の調和〜外舘美奈さん物語5

以下を書いていて感じたのが、「そうですね」相槌の深み。本当に理解して納得の上で、こだわってみました。

呼び名の交差点

翌日午前9時、厨房の仕込み前。客個室でZOOMを開いた。画面の向こうには、柔らかな光を浴びた佐藤真紀子さん。

「おはようございます。今日は、語り合える時間をいただきありがとうございます。」

「こちらこそ。朝の空気って、語りやすいですね。昨日からずっと、話したくてたまらなかったんです。」

「そうですよね。で、私は佐藤さんのことをこちらでは何とお呼びしたらいいでしょうか?」

「はい。真紀子でお願いいたします。では私も、美奈さんでよろしいですか?」

「もちろんです。ありがとうございます。」

空気が、画面越しに澄んでいく。真紀子さんに、見た目の美しさだけではない魅力を感じる。その魅力の原因を知りたくて、今日のこの時間となったのだ。

存在価値の発掘

「昨日、はじめにお訊きしたとおり、私には輝いて見えます。話の限りには、おっしゃる先生とのご縁から始まったのではないかと仮説を立てたところです。そうでもありませんか?」

「はい!そのとおりです。龍先生なしには今の私はあり得ません。」

「龍先生?中国人でしょうか?もしよければ、少しだけ教えていただけませんか?」

真紀子さんの口角が上がる。語りたくてたまらない空気が、画面越しに伝わってくる。

「はい。龍先生は私の名前を通じて、存在価値を発掘してくださった純粋な日本人です。名前の音・意味・響き、そして場との関係まで。そこでようやく私自身が『佐藤真紀子』であることの意味を、初めて考えました。」

私は、興味深く惹き込まれていくのが分かった。

名前と場の響き

 所作の1つ1つに込められた共鳴和音 「真心と配慮の調和〜外舘美奈さん物語5」

「名前と場の響き・・・。それは、料理にも通じるものがありますね。いかに真心込めた料理でも、相手をいかに気遣うのか?という配慮こそが、明暗を分けますからね。

その『名前と場の響き』が、真紀子さんの中でどう響き合っているのか、もう少し聴かせていただけますか?」

「はい。正直、最初は名前に意味があるなんて考えたこともなかったんです。でも、龍先生に名前の音を丁寧に聴いていただいて、自分でも気づいていなかった場との違和感が浮かび上がってきたんです。」

「へぇ、それはどんな?」

「例えば同じ真紀子でも、家族の中で呼ばれる響きと、職場で呼ばれる響きが、まるで違っていて。ただの私の感覚の違いだと思っていたんです。先生は『場との関係性が名前に現れている』っておっしゃって。そういったことの積み重ねから、名前がただの識別情報じゃなくて、『私の存在価値そのもの』なんだと気づきました。」

「それはすごい気づきでしたね。感じる世界が一変しますよね」

「そうなんです。それ以来、名前の響き方を意識するようになりました。だから美奈さんの店で澄んだ空気を感じて『ああ、ここでは佐藤真紀子としていていいんだ』って、感動したんです。」

「そうだったんですね。」

生き様のカスタマイズ

「先生は、『龍 庵真(りゅうあんしん)』という名前で活動されていて・・・。でも、ただの名付けではないんです。生き様やあり方から『本来・本当・本物』をカスタマイズしてくださるんです。」

思わず身を乗り出して聴いてしまっている。さらに深呼吸した。

「生き様やあり方から。素晴らしいですね。私が料理でやっていることと、やはり似ているかもしれません。スタッフを雇う上でも、あり方はすごく重要だと考えてきました。技術うんぬんも重要ですが、同じものを作っていても、あり方次第で大きく変わるんですよ」

「そうなんです。私が『空気が澄んでいた』と感じたのも、やはり龍先生の影響を受けているからかもしれません。おかげさまで、見えていた世界から奥行きが増しました。」

「はい。真紀子さんの感想コメントを拝見し、非凡さを感じました。私にとっては料理の美味しさは当然です。場の浄化を気遣うようになってからの世界観が全く違うんです。それを言葉に表していただけたことが本当に嬉しかったんです。」

ご縁の予感

「先生は、名前が喜ぶ場を生み出し整える方です。スゴイと感じるのが、語らせるのではなく、『言葉が自然に溢れ出す場』をつくるんです。」

「やはり料理と同じですね。『食べさせる』のではなく、『食べたくなる場をつくる』です。私もぜひ龍先生に会ってみたいんですが、おそらくはかなりお忙しいんでしょうね?」

「そうですよね。私も最近連絡できていないので、どうなっているか気になり出しました。美奈さんをおつなぎしてもいいか、確認してみますね」

「ありがとうございます。すごく楽しみです。」

ーーー

数日後、真紀子さんからお電話。今週の金曜日10時〜だという。3日後だが、なんとかなりそうだ。3人でオンラインにて。このご縁が、どう変わっていくのだろう?真紀子さんの情熱のきっかけとなったお方。興味が止まらない。

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人生変えたご縁〜外舘美奈さん物語4

「本当に?」と疑ってしまった『人生変えたご縁』。リアルさにものすごくフォーカスしていますが、言葉が溢れ出てきて、自動書記に近い状態。気づいたら深夜1時を回っておりました。

再来店

2ヶ月前、お客様から届いた感想メール。「場の空気が澄んでいた」という言葉が、記憶に深く残っていた。

そのお客様が、再来店。 予約は2ヶ月待ちにもかかわらず、即座に申し込んでいたという事実が、スタッフの間でも話題になっていた。

「佐藤様、あの夜のあと、すぐに次の予約を入れてくださったんですよ」 「2ヶ月待ちなのに、迷いなく。」

厨房の空気が、張り詰める。真価が問われているような気がしている。どんなことになろうとも、絶対に感動を分かち合って店を出ていただく覚悟で臨んでいる。そのための私なのだ。

食事を終えたお客様が、厨房の奥に向かって一礼。その所作に、場の空気が奮える。

「こんにちは。店長の外舘美奈です。先日は本当に素晴らしいコメントをいただき、スタッフ一同感動いたしました。かつ即座に予約を入れてくださり、今日に至れましたこと、心より感謝しております。」

「はい!前回の感動が忘れられなくて、また来ました。この空間にいた時間が、今も体に残っているんです。前回は家族がいたから、あまり話せませんでしたね。」

私は、大きく頷いた。スーシェフの悠太が声をかける。

「もしよければ、初めていらした時のこと、少しだけ教えていただけませんか?」

初対話

佐藤真紀子さんと美奈さんの初対話 人生変えたご縁〜外舘美奈さん物語4

「息子の結婚が決まって、結納の前夜でした。こじんまりとした静かな場で、家族と過ごしたくて探していたんです。口コミで見つけて、直感で選びました。

でも、料理だけじゃありませんでした。場の空気が、澄んでいたんです。料理を通じて癒しや希望や情熱を湧き立たせるような・・・。明らかに美味しさだけではない、ステキな魅力を感じたんです。」

私は、溢れ出る思いに任せ、言葉を返した。

「前回のメールでもいただきましたが、改めて感謝いたします。私のマリアージュが、届いたんだと思いました。さらに本当にいらしてくださり、生で聴かせていただけることに、感無量です。」

「マリアージュ?そうだったんですね。素人の私には分からないことだらけですが、響き合う調和があったんですね。」

「はい。そうですよね・・・。尊敬の念を込めて、改めてお訊きしたいしたいんですが、いいでしょうか?」

「なんでしょう?」

人生変えたご縁

「私には佐藤様がとても素晴らしく、輝いて見えます。幼い頃からそうだったんでしょうか?」

「ありがとうございます。シェフのようなステキな女性に言っていただけると、天にも昇る気持ちです。私はもともと専業主婦で、小さなアパレルショップから始まったんですよ。こうして都内へ頻繁に来れるようになったのも、本当につい最近のことです。」

「そうだったんですね。では何がきっかけだったんでしょう?」

「ある方とのご縁ですね。名前を主に多角的に向き合ってくださった方のおかげです。この方のことを語り出したら、私は止まらなくなってしまいます。いいでしょうか?」

「え!?そんなに佐藤様の人生を変えた方がいらっしゃるんですね?」声色が変わったのが、即座に分かった。

「そうですね。今は営業時間でしょうから、他の方との関わりもありますよね?」

「そうですよね。ご配慮ありがとうございます。佐藤様の声から、語りたくてたまらない雰囲気を感じます。」

「え!?声の変化を感じれるんですか!すごい!先生もそうなんです!」

「先生?佐藤様の先生でしょうか?」

「正確には違いますが、私の人生を変えるきっかけとなった方がいるんです。」

「本当に長くなりそうですね。ではまたあとでご連絡させていただきます。佐藤様がそこまでおっしゃる方、すごく気になります。」

「はい。シェフが予想以上にステキな方だったので、饒舌になってしまいました。あとでオンラインにて、語り合いましょう。」

脳裏に浮かんできた記憶

QRコードを通じてオンラインでつながり、翌日9時からのアポ。予想もしていなかった展開に驚いた。佐藤様がおっしゃる「先生」とは誰なのか、すごく気になっている。佐藤様を「語りたくてたまらない」状態にまで魅せてしまい、《名前を主に多角的に向き合う》《声の変化を感じれる》等、つながりを全く感じない。

こんな胸踊る気持ちになったのは、いつぶりだろう?脳裏に浮かんできたのは、TV取材に応じている師匠のインタビューに感動した場面。高1夏にたまたまつけていたTVで、番組で師匠が現れ釘付けになった。「私が人生賭ける価値があるのはこれだ!」と感じた。

高2で中退し料理の世界へ入って行ったのも、実家での生活に耐えきれなかったことと、「これだ!」という確信だ。その時から、気持ちが揺らいだことがない。当時の感動が、佐藤様の振る舞いから呼び覚まされてきた。

師匠はすでに引退し、隠居なさっている。久々に会いたい気持ちになった。


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味覚の再構築〜外舘美奈さん物語3

美奈さん、味覚が衰えていく中で、どう切り抜けていくかを模索中。信頼関係って重要だと改めて実感です。

マリアージュ

厨房の奥に立つ。いつもの位置。味の輪郭が、どんどん霞んでくる。火入れの香りは読める。動線の緊張も感じる。しかしソースの酸味や塩味が、どう響いているのかつかめない。

「私は、何を味わって生きてきたんだろう?」 「この店で、何を伝えたかったんだろう?」「なぜ、何を、どうあきらめきれないんだろう?」「そもそもなぜ、こんなことになってしまったのか?」

様々な問いが、急き立ててくる。未来の私は、確実に何かをつかみきれている。店の皆を信頼し、新たなチーム編成でお客様を迎え入れている。そのイメージはあるが、何をどうやって再構築できたのか、雲をつかむような感覚だ。

考えに考えても、今の私には解決能力がない。それだけははっきり分かっている。小中学生ながらに大学入試の問題なんて解けないのと同じように、分からないことを分かろうといかに努力したところで無意味だと分かっている。だからと言って、何か策があるのか?何もないーーー。

悠太が言った。「美奈シェフ、味の調整を一緒にやりませんか?僕らの舌も、使ってください。」

まさにこの瞬間、脳内ランプが光ったのを感じた。初めて「他者の舌」を信じてみようと思った。ソースの酸味・塩味・苦味・甘味——それぞれの舌感覚が語る。厨房が、味を言葉にし始める。

味覚の再構築は、舌のマリアージュから始まった。

新チームと新たな響き

美奈さんの確信 味覚の再構築〜外舘美奈さん物語3

味を言語化し共有することで、場の空気が変わった。厨房の動線が滑らかになり、音の粒が整っていく。私は確信した。

「私の舌が曖昧でも、場の響きは整えられる。味は、私1人で作るものじゃない。  素材とソース、火入れと香り——それらが響き合う。それこそが、マリアージュ。」

新メニュー、新役割、新空気。厨房が、再び動き出した。

再出発から数日後、一通のメッセージが届いた。

「料理も素晴らしかったですが、場の空気が澄んでいて、心が静まりました。あの空間にいた時間が、今も体に残っています。ものすごい感動を、本当にありがとうございます。ぜひまたお伺いしたいです。」

私は目を閉じ、歓喜に奮える手応えを噛みしめた。

「料理の感想なんて、いくらでもある。でも『場の空気が澄んでいた』なんて言葉、初めてだった。私のマリアージュが、届いたんだ。」スタッフ全員で、その感想メールを喜んだ。

場の響き

味覚は曖昧でも、場の響きは守れる。 「味わうことの意味」は、私の舌だけではなく、場の共鳴にある。未来の私のイメージが、少しずつ鮮明化されていく。ピンぼけしたモノクロ写真が、高解像度のカラー動画へ変わっていくように。

「私は、味だけを作っていたんじゃない。場の響きを生み出していたんだ。それが、私の『舌感の記憶』だったんだ。」

ステキな感想を送ってくださったお客様へ、即返信。

「ありがとうございます。諸事情から、新たなチーム編成をしたところでした。『お客様と感動を共有できるよう、私たちに何ができるのか?』を真剣に語り合っていた中にいらしてくださり、コメントにスタッフ全員が感動しております。ぜひいらしてくださいませ。本当にありがとうございます。」

もうダメだと絶望感に打ちのめされていたが、仲間に支えられ切り抜けきれそうだ。さらなるマリアージュを求めて、仲間と一緒に進めていこう。

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舌感の記憶〜外舘美奈さん物語2

舌ガンだと申告された美奈さん。親との確執から、40年帰省したことがありません。料理一筋に生きてきたため、知り合いかつ信用できる仲間が、店のメンバーしか思いつきません。

告白の温度

厨房の奥、いつもの位置に立っているはずなのに、 包丁の重さが違う。メンタルが、体に及ぼす影響は甚大だという話を聞いたことがある。身をもって痛感している。現実を突きつけられるまでの私と今の私では、何もかもが違ってきている。

「舌ガンです」 医師の言葉が頭の中で何度もこだまする。味覚は、さらに曖昧になっている。それでも、仲間にはまだ言っていない。言えない。

最も信用している店の仲間—— 伝えた瞬間、何かが壊れる気がしていた。すさまじい恐怖感がある。とはいえ黙っていることも、嘘をついているようで苦しい。

「美奈シェフ、今日のソース、ちょっと違いますね」その一言が、胸に突き刺さる。違うのは、ソースじゃない。私だ。

厨房の音が遠くなる。心の中がざわつきながら、悶々と問いが込み上げてくる。「私は、何を味わって生きてきたんだろう?」 「この店で、何を伝えたかったんだろう?」改めて「味わうことの意味や価値」を問い直す。

舌感の記憶

家を出て帰らないと決めている理由は、母の固執した日本料理へのこだわりだ。子どもの頃から、誕生日ケーキ等も他の皆とは違う、変な色をしたものだった。「家庭の食卓」という話題が、周囲とかけ離れていた。だからこそ、友達を招き入れたこともない。親を誰にも紹介したくなかったし、家族のことを語りたくなかった。

「私は絶対にお母さんみたいな生き方はしない!」と常々口にしてきた。だからこそ、早く家を出て、全く別の世界を生きることにしたのだ。高2当時の17歳で限界を感じ、都内の料理店で修行。一心不乱に没頭し、3年でパリへ。

20歳から10年、美食文化の激戦区で徹底的にしごき抜かれた。30歳で都内の1等地に開業できるよう資金援助してくださる方が現れ、千載一遇のチャンスだととらえた。渡仏前に師匠からいただいた牛刀を携え、日本へ帰国し今に至る。

25歳でソース担当となり、それこそ七転八倒の苦しみだった。ソースを通じて素材とのマリアージュ。感覚を研ぎ澄まさなければならない。皿洗い当時から厨房はまさに戦場だったが、洗練されるほどに内側へ向いていくのが分かった。

たとえ素材がよくなかったとしても、ソースによって極上の味に仕上げることができる。だからこそ、舌感(味覚)には極めて細心の注意を払ってきた。だからこその疑問。なぜ私が・・・・・・?

「死ぬまで料理人」という決意

意を決し、すべての作業を終えてから、皆に残ってもらった。

「美奈シェフ、どうしたんですか?」スーシェフの悠太が問うてくる。

「重大な発表があるの。言うべきか、かなり悩んだんだけどね。」

「何ですか?美奈シェフのためなら、何だってやりますよ」皆が口々に言う。

「私・・・、舌ガンらしいのよ。ステージ1だと言われたわ。腫瘍が舌の左奥裏に1.3cm程度あって、3人の医師に切除手術を勧められたわ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」一気に場が凍りつき、真空化されたかのようだった。

「そうよね。言ったところで、皆もどうしようもないわよね。私、絶対に切りたくないの。死ぬまで料理人でいたいから。切らずにガンとの問題を解決する道を探したいの」

「確かに今のままではどうしようもありませんが、話してくださってありがとうございます。・・・美奈シェフお1人で悩み苦しむんじゃなく、私にも一緒に背負わせてもらえることを感謝しています。」悠太がたどたどしくも、返してくれた。

「そうですよ!私も一緒に悩み考えます。話してくださり、本当にありがとうございます。」スタッフ9人全員が、改めて1つになれたと感じた。話せてよかったと、心の底から感動し涙が溢れてきた。

告白を受け入れられ感動の涙 舌感の記憶〜外舘美奈さん物語2

だからと言って、まだ何も解決したわけではない。これからどんな展開になっていくのか、考えるほどに恐怖が湧いてくる。今までにも、似たような出来事があった。恐怖を感じていても、払拭できるほどに没頭していこう。

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違和感の正体〜外舘美奈さん物語1

様々向き合わさせていただき、「プロフェッショナルかつストイックに追究してきた方との相性がいい」とピントが合わさってきました。

佐藤真紀子さん
田中健太郎さん
藤堂富美子さん
早乙女芽衣子さん
に続く、5人目の物語。

没頭してきた40年

「お疲れ様〜」

すべての役割を終え、いつもなら充実感とともに帰宅。今日は言いようのない違和感がある。意味不明な不安と焦燥感が襲ってくる。昨日と今日の私は、明らかに何かが違っている。何が分からないのかが分からない。しかし確実にマズいことが起きているようだ。

私は外舘 美奈(とだて みな)、57歳。港区麻布十番で腕を振るうフランス料理人。皿の上に描かれる一皿は、芸術と称され、予約は2ヶ月先まで埋まっている。日本料理人だった母に反発し、中卒後に単身フランスへ。そこで脇目も振らず一心不乱に料理の世界へ没頭してきた40年。

厨房の熱気、スタッフの声、火の音。そのすべてが、私にとって情熱であり、生きがい。感情は、邪魔だ。皿に乗せるのは技術であり、魂の結晶であり、メッセージだから。去年『プロフェッショナル〜私の流儀』(NHK)からの出演依頼があり、そこで不動の信頼を得た。

店から徒歩3分の1ルームにて、言いようのない違和感を抱きながらも、明日に備えて寝る。料理の世界で生きてきた私には、恋愛とは無縁だった。誰かを好きになるよりも、お客様へ料理を通じて感動を提供することが、私の喜びなのだ。

S.ジョブズが着ている服装は黒のタートルにジーンズだったという話に同感である。料理のことしか考えたくない。服装なんて厨房に入れば着替えるんだから、何だっていい。プロフェッショナルの料理人として、世に恥じない生き方を全うしたいのだ。

違和感の正体

味覚の精度への迷い 違和感の正体〜外舘美奈さん物語1

数日後、仕込みを終え、心がザワっときた。スープの味が、分からない。塩も、香りも、温度も、ちゃんと揃っている。今まで塩1mgの違いを見極めきれていた。その精度の感覚への迷いがある。

予約し受診。検査後の診断で言われたショッキングな一言。「味覚に麻痺障害がありますね。味蕾の塩味の神経に異常があるようです。精密検査をお勧めします。」まさに茫然自失な状況。言葉が出てこない。顔面蒼白な感覚がよく分かる。

ディナーでは、スタッフの誰にも気づかれないよう振る舞えた。しかし心の中は、ものすごく動転している。スタッフが優秀なのが幸いだ。今まで咀嚼して詳細に教え施してきただけに、皆立派に育ってくれている。

今までツラくキツい時ほど、笑うよう努めてきた。「大丈夫。きっと大したことはない。すぐに元に戻るよ」と言い聞かせて、どうにか閉店できた。自宅まで徒歩3分だが、すぐに帰りたい気分ではない。コンビニで大好きなカシューナッツとワインを買って帰宅。

終わりの始まり

精密検査の結果が出て、再受診。なんと・・・・・・・・・舌ガン。ステージ1だというのだ。医師からは総合病院へ紹介状を書くからと、手術による切除を勧められた。舌を切るということは、味覚の精度が落ちないわけがない。それだけは絶対にイヤだ。

医師からは「味覚が落ちようとも、生き延びられるんだからいいじゃないですか」と返答。いくら言っても覆りそうになかったので、保留させてもらうことにした。舌を切るということは、料理人としては生きられないのではないか?約40年、料理人として生きてきた。他の人生が、どうしてもイメージできない。

夜の厨房。誰もいないはずなのに、火の音が耳に残る。私は洗い場前で立ち尽くしていた。初めて肉担当になれた記念にと、師匠からもらった牛刀を見ながら、涙がこぼれた。

「なぜ私が?」

今まで健康には極めてこだわってきた。野菜を多く摂り、添加物は控えるよう細心の注意を払ってきた。出かける時も弁当持参。売っている食材なんて信用できない。「◯◯がいいよ」と言われれば、即試してきた。水にもかなりこだわり、浄水器には最高の本格派を組み込んでいる。

「なぜ私が?」

私には志がある。私の店を世界一のフランス料理店とすること。そのためのミシュラン3つ星は通過点だ。NHKからの出演依頼も高じて1つ星まで来れた。料理に私の全人生を懸けてきたのだ。こんな道半ばにして、あきらめきれるわけがないだろう!

「なぜ私が?」

どうしても解せない。納得できない。ガンだなんて、全くもって信じられない。私に限って、そんなことあるわけがないのだ。セカンドオピニオン、サード・・・と試みるが、同じ診断結果。舌ガンという事実、受け入れざるを得ない。しかし手術は絶対にイヤだ。とはいえ、手術するしかないんだろうか?

理解できない、納得できないと言いつつも、症状は進行しているのだろう。「夢であってくれ」「朝目が覚めたら治っている」と願いながら、気がついたら1人でワイン1本空けていた。どんどんまぶたが重くなっていく。

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