痛みを抱き込み響きを醸成〜早乙女芽衣子さん物語18

遺名〜孤闇の響鳴司

遺名 孤闇の響鳴司 by 痛みを抱き込み響きを醸成〜早乙女芽衣子さん物語18

かつて私は、誰かに決められたレールの上を歩いてきた。県知事としての肩書き、家系の期待、社会的な役割。表面的には華やかでも、娘を自殺に追い込むほどの闇を抱えていた。向き合おうとしなかったしわ寄せの被害の甚大さに気づいた時、今までの努力が無価値どころか逆効果に思えた。闇は、誰にも理解されず、私自身を蝕み覆い尽くしていた。

だからこそ問い直した。「私は、本当に幸福になるために生まれてきたのか?」 空虚に立ち尽くし痛みを受け止め、自立具現化コーリングを通じて、ようやく核に触れた。龍先生がおっしゃる「核を突き抜けた自由自在な対話」の意味と価値を噛みしめている。

今、私は「孤闇の響鳴司」として生きている。孤闇とは、表現できない痛みが沈殿し、誰にも理解されない深み。孤独な闇をさまよってきた者として、他者との響きを生み出し、場に灯火を宿せる。響鳴司とは、痛みを受け止め響きを醸成し、場に灯火を宿す演出家。響鳴とは、核と核が新たな調和を生み出すコミュニケーションである。

73歳にしてようやく気づけたこの役割は、まさに遺名と呼ぶにふさわしい。自分と向き合い、対話を重ねてきた人生の集約であり、これからの社会への演出でもある。

現状の社会的変化の経過

肩書きから役割へ

政治家としての役割を終え、場の演出家として再出発できた。娘の死を通じて知事をやめ後追い自殺を考えた件をはじめ、包み隠さずありのままを語れている。結果として各地からもオファーを受けている理由は、惨めや無念さで終わらせず、感謝感動につなげきれているからだと評価されている。

何よりも内的評価による自己信頼の基盤ができている実感がある。常に優花と夫がともにいてくれている感覚があるのだ。振り返って思うのが、「私だけが一生懸命」が心の奥底にあった。だからこそ、奉仕の気持ちで尽くしてきた。

今は極めて自然体の私を表現できている。調和とは、私も含めた皆々が、独自の特性を引き立てあっていること。知事だった当時までは、輪の中に私がいなかった。今私は、孤独から最も遠い場所にいる。

共鳴型リーダーシップの発動

指示ではなく、響きによる場の醸成。今まで多くの講座等で学んできたこと多くの点が、線や面として活かせている。講演・協奏・起業支援など、実践の場が拡張。知事当時は、「私がやらねば誰がやる」が信条だった。空元気で振る舞っていたことを痛感している。県民や支持してくださっている方に喜んでいただくため、側近たちを従わせていた。

結果として、「田中角栄の娘では?」と冗談混じりに言われるようにもなった。表向きに力強く装うほどに、内外の自己乖離が起きていた。だからこそのしわ寄せとして、娘 優花の自殺。あの日以来、糸が完全に切れてしまった。

自立具現化コーリングから対話を深めて感じること。「リーダーシップって本当に必要?」「誰かが立たねばならないの?」「もしメンバー全員がリーダーシップを発揮できたら?」そんなイメージがどんどんカタチになってきている。龍先生がよく語っていた前提の重要性を噛みしめている。前提をどう扱うかで、視点が大きく変わってしまうのだ。

孤闇からの解放

痛みを語れない人々の声を拾い、解放サポート。家族の死を主に、第2の人生を望む人々への灯火となっている。

娘を亡くしてしまった絶望感、「私だけが一生懸命」と虚勢を張ってきた強がり。どちらも孤独な闇だった。龍先生との対話から生まれた孤闇(こやみ)。まさに今までの私を表現する言葉だ。

今でも孤闇は私の中にある。しかし以前とは心境が全く違っている。なぜなら解放でき、強い味方となってくれているから。だからこそ、闇を抱えて悩み苦しんでいる方に寄り添えるのだ。

解放にあたり、龍先生の言葉が身に沁みている。「芽衣子さんの中にあるものは、すべて素晴らしい宝物です。孤闇のように今は快く思えない感覚でも、悪玉菌のように0にしてはいけません。悪玉菌自体が問題ではなく、望ましい状態を維持できていないことが問題です」

締めの宣言

「孤闇の響鳴司」 それは、痛みを癒し解放できた者の役割。私は、幸福になるために生まれてきた。この灯火を、望む方々の中に宿すために、私の人生を全身全霊で演出していく。

人類史上、多くの偉人たちが追究してきた「◯◯の自分像」。自立具現化コーリングを経て、究極のパートナーとして創り出せた。私が創り出した以上、どう更新していくかによって私の未来も変わっていく。一緒に成長できる喜びを実感できている。

これからも、つらくキツイことはたくさんあるだろう。まだまだこれから大きく羽ばたいていきたいのだから、見合った出来事が起きてこないわけがない。天命に基づいた生き方にこだわりながら、多くの皆さんと感謝感動を分かち合っていきたい。優花や夫ともたらす調和を祈りつつ・・・。

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核に触れる響鳴〜早乙女芽衣子さん物語17

『芽衣子さんシリーズ』いよいよクライマックスを迎えます。娘さんの自殺を機に向き合ってみて、自らの空虚感に気づいていきます。どうしたら臨場感を持たせきれるか?考えに考えました。

ーーー

自立具現化コーリングを受け始め、1年が経った。一区切りとなる龍先生との対話が始まる。

生まれ変われた手応え

「もう1年になるんですね。ものすごく濃密でした。この1年で4年分は生きた感覚があります。ハッキリ覚えている出来事、たくさんありますよ」

「そうですよね。本当にいろんなことがありましたね。」

「鮮烈に覚えているのが、3ヶ月目の散歩していて寝違えたこと。先生から心筋に原因があると指摘され、自分を追い詰めてきたことに気づけました。」

「そうでしたね。芽衣子さんから『散歩していて寝違えました。何とかなりませんか?』と言われた時は、まさに『は?』でした。寝ている最中でもないのに、首にハリが起きたと言うとことは・・・。

前にも同じような症状でお悩みの方がいらっしゃいましたから、ピンときましたよ。変わろうとするからには、見合った出来事が確実に起きます。ちなみに同じ症状の方は、心筋の問題から解放されたら、急速に好転されたんですよ」

「そうだったんですね。どおりで。私も第2の人生を歩むべく、新たに生まれ変われた手応えを感じています。」

「そうですよね。本当にこれからが楽しみですね。」

優花の問い「名前って、何?」を継承し、 私自身の人生を再構成し始めた1年前。自発的に選んだ記憶がない、空虚だと気づいた瞬間から、すべてが始まった。

今は違う。その空虚に、確かな輪郭が生まれている。問いは実感に変わり、実感は日々の生活の細やかな選択に染み込んでいる。

核に触れる響鳴

「最近は、誰かと話していても、その人の『核に触れる瞬間』が分かるようになりました。私が何かを伝えるというより、その人の中にあるものが自然と立ち上がってくるんです」

龍先生は頷いた。「それこそが、5〜7次元の感覚です。『核を越えた世界』では、伝えることよりも、響き合う響鳴が中心になります。芽衣子さんは、もはや場の中心的立場にいらっしゃるんですよ」

「なるほど。すごく合点がいきます。確かに、以前は『私が何かをしなきゃ』と思っていました。でも今は、ただそこにいるだけで、周囲が動き出すことが増えました。私自身が起点になっている感覚です。あまりにうまくいきすぎて、怖いくらい」

「確かに今までにない新感覚でしょうから、慣れるまでには時間を要するでしょうね。それでも、この1年の中に、いろんなエッセンスを詰め込んだと自負できています。

私が覚えているのは、胃のエピソードです。芽衣子さんが親から愛されてきたがゆえに、基準ができてしまっていたこと。」

「そうでしたね。私も鮮明に覚えています。だからこそ、その基準で夫を比較してしまっていたこと。今となっては夫に申し訳ないですが、夫の分も一緒に生きようと決めています。」

「素晴らしいですね。多くの葛藤がありましたよね。多くの自己否定を解放できたからこそ出てくる言葉です。湧き出てくる感情と恐れずに向き合ったからこそ、今の芽衣子さんがあるんです」

私発の価値と「調和の美」

大きく頷いた。かつての私が、親や家の影響を受け、強制的に選ばされていたことを思い出す。今は、伝統を承継しつつも私発の価値観を設けている。問われたことが、自分の中で響き、周囲に広がって私に戻ってくる。「調和の美」という感覚を理解できたことが、何よりの収穫だ。

県知事をやめてから、何もない身となった。一時は本気で自殺まで考えた。今でも何があると胸を張って言えるわけではない。しかし私の中に核を創り出せた確信がある。外側の肩書は、表面的な表現でしかない。すべてを失ったからこそ、本当に大切なものを見定めることができた。そう思うと、感謝の気持ちが溢れてくる。本当にありがたい。

壇上で語る第2の人生 by 核に触れる響鳴〜早乙女芽衣子さん物語17

佐々木さんとの協奏においても、どんどん話が進み、講演の場を設けていただけており、県外からも声がかかっている。何より優花や夫と一緒に語れている実感があることが嬉しいのだ。

「私は、幸福になるために生まれてきた」ものすごく遠くにあったその言葉。今では自分の中心軸となっている。この確信を、すべての皆さんと分かち合いたい。 魂に灯るきっかけを、どう届けていけるのか—— その問いを胸に、生まれ変われた実感をもって、 全身全霊をかけて、私の天命を全うしよう。

※天命:生まれた目的成就への役割

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究極の自己対話への序章〜早乙女芽衣子さん物語16

芽衣子さん。覚醒後の解放感から、いよいよ本格ステージへ。

幸福の本質

私以外のために生き、中身が空っぽだったと気づいた今、ようやく立ち上がった問い『私が心から望む幸福とは?』。

それは、自己否定から解放された今だからこそ、ようやく見つめられる問いだった。「姓名覚醒」というだけあり、覚醒できた手応えはある。だからこその空虚感。夜明け前のモンゴルやサバンナ等の大平原に1人立っているようだ。更地にできた今、何をどう構築していけばいいのか?

浸透していく天命

龍先生との対話の中で、「天命」というキーワードが響いた。「天命とは、生まれた目的成就への役割」が、私の中の空白に、着実に浸透していっている。

「芽衣子さんの誕生日等から見ても、『場を創る』役割が明確です。喜びや楽しみを原動力に情熱が発されます。寄り添いながら、場を設計する方です。どれだけ皆さんの支持を得られるかにかかっていますね」

「すごい!とても納得できます。だから知事として3期も勤めきれたんですね。親も政治に関わっており兄妹もいましたが、政治家として跡を継いだのは私だけ。うまくいっている時は決まって、私が自発的に意欲をあらわにしていました。結果として多くを巻き込めていました。」

「ですよね。そう出ていますから。」

調和と自己中心

「しかし今は、今までと路線が違います。『私以外の周囲のために』ではないと感じています。『私自身を原点とした方針』が、何よりも重要だと感じています。これは自己中心ではないんでしょうか?自分で言っておきながら、他人のために生きていないことに良心の呵責が湧いてきます。」

「さすが芽衣子さん、謙虚ですね。その腰の低さが人気を集めた要因なんでしょうね。では、質問です。『調和と妥協の違い』って、分かりますか?」

「全く似て非なるものだと思いますが、とっさに問われると、即答できません。」

「そうですよね。私も今必要だと感じ、頭の引き出しから引っ張り出しました。おそらくは今までで最も分かりやすい解答ができます。」

「何でしょう?」

「分かりやすく10あるうち、4が同じだとしましょう。それでよしとしている状態が妥協。10のうち、6が違っています。その違いをチャンスと解釈し、対話を深めながら10以上の価値を生み出せている状態が調和。いかがでしょう?」

「本当ですね!今までたくさんの本を読み、いろんな場面で考えてきましたが、ものすごくスッキリしました。」

「かつ『調和とは、それぞれが独自の個性を発揮しながら、お互いに引き立て合っている状態』です。よって芽衣子さんが、いかに周囲の皆さんのためにと尽くしていても、芽衣子さん自身の心が伴っていなければ、蚊帳の外ですよね?調和できていると思いますか?」

「え!?私、ダメじゃないですか!」

「そうですよね。残念ながら不十分だったんです。しかし、そんな不十分な芽衣子さんを認めて慕い応援してくださる方がいたんですよ」

「ごめんなさい・・・・・・・。今、ウルッと来ちゃいました。感謝です」

創り出す神との対話

「はい。私との対話でも、相応に感動できます。しかし私が言う《核》は、完全に異次元です。」

「自立具現化コーリングですね。『5〜7次元を自由に往来する』『核を突き抜けた世界』とおっしゃられてましたが、どういうことなんでしょう?」

「はい。ようやく語れるステージに来ましたね。優花さんの死から今に至るまで、段階を経ることがどうしても必要でした」

「そうですよね。落ち込みようが尋常ではありませんでしたからね」

「芽衣子さんのように、悩み苦しみを受け止めて『私が心から望む幸福とは?』を本気で問う方は、この感覚を扱う準備が整っています。空白を恐れず向き合える方にこそ、理解できることですから」

「はい。本気で向き合いたいです。優花のためにも」

「かしこまりました。一言で表現するなら、『究極の自己対話』です。自己対話ながらに、『究極のパートナー=芽衣子さんだけの神』を創り出します。芽衣子さんが神を作り出せたとしたら、創り出された神は何と言うでしょう?」

「はい?今まで考えたこともありませんでした。さっぱり分かりません」

「はい。だから世界初なんです。神を非宗教感覚で表現できているからこその価値です。おそらくは、完全に予想外な言葉が出てきますよ。」

「『?』が頭の中を飛び交っていますが、なんだかワクワクしてきます。」

「約半年〜1年を予定していますが、天才はもちろん、神がかりな存在になれますよ。なんてったって、芽衣子さんだけの神を創り出すんですから」

「なんだか、ケタ違いな展開ですね。本当に異次元感覚です。ぜひもう少し、確認させていただけませんか?」

「そうですよね。では、改めて後日『究極のパートナー』とは誰なのか?をお伝えさせていただきます。今まで500人超に問うてきましたが、ヒントを交えて答えきれた方は5人。約1/100です。芽衣子さんにはぜひ答えていただきたいですね」

「はい。楽しみにしています。」

究極の自己対話への序章〜早乙女芽衣子さん物語16

ーーー

次回は、芽衣子さんが「自立具現化コーリング」を受け始めて1年後。

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姓名覚醒から変わる私の人生〜早乙女芽衣子さん物語15

芽衣子さん。姓名覚醒セッションを受け、約3ヶ月が経ちました。

姓名覚醒から変わる私の人生〜早乙女芽衣子さん物語15

問いの継承「名前って、何?」

「名前って、何?」

優花が遺したその問いは、私の中でずっと響いていた。それは単なる疑問ではなく、私自身の人生を根底から揺さぶる問いだったから。

龍先生との対話の中で、「姓名覚醒」という言葉が出てきた時、直感的に「ここから何かが変わる」と感じた。それは肩書きや経歴ではなく、「私という存在が、何に宿っているのか」を再定義するプロセスだった。

名前を主軸とした誕生日・血液型・出生地・出生順——  

1つ1つの情報が、名前に宿る意味を照らし出していく。「早乙女芽衣子」という名前が、ただの呼び名ではなく、『私の人生の設計図』だと知った。私は初めて、自分の人生を「自分のもの」として扱える手応えがある。

約3ヶ月のプロセスの中で、何度も優花の問いに立ち返った。「名前って、何?」  

それは「私って、誰?」という問いと幾重にも織り重なっていた。過去の私は、役割に生きてきた。  県知事として、母として、周囲の私以外の期待に応えることで、自分の価値を保とうとしてきた。  

自己否定の正体

しかし今は違う。名前に宿る意味を通じて、《覚醒》という価値と向き合えている実感がある。分かってみればたわいもないことだが、最も混乱したのが「自己否定の正体」。

昔ある講座で「自己否定をやめれば解決する」と言われたことがある。当然ながら、否定したくて否定しているわけではない。自己対話の中で、自分の中の何者か同士が裁き罵り合っているのだ。正体をつかめなかった当時の私は、自己否定している自覚さえもなかったのだ。

覚醒という実感を味わってみて感じるのは、誰かに認められるための価値ではない。私が私として生きるための、「揺らがない核」としての価値。何かの本で読んだことがあるフレーズ「私は、幸福になるために生まれてきた」が、胸に深く刻み込まれている。

「芽衣子さん、いよいよですね」  

龍先生のその言葉が、今は渇いた大地に沁みわたっているかのようだ。優花の問いを継ぎながら、 私自身の人生を、再構成している最中だ。何もやる気が起きず、後追い自殺を考えていた当時からは、確実なコンプリートだ。

だからこそ湧いてくる問題。「私が心から望む幸福とは?」が曖昧なままである。自己否定から解放され、ニュートラルな今だからこそ、考えた方がいいと分かっている。今まで、自分以外の周囲のために生きてきた。名前を通じて核を見据えきれたからこそ、中身が空っぽだと気づいてしまった。

天命と高次元の世界へ

「芽衣子さん、いかがでしょうか?ここまで来ると、全体像を理解し始められたのではないでしょうか?」

「そうですね。かなり膨大な内容ですが、なんとなくつかめてきました。」

「私はこんなやりとりを通じて、『天命に生きる方』を輩出したいと考えています。興味ありますか?」

「はい。龍先生がおっしゃることなら、興味あります。ただ、天命と多くの皆さんが言いますが、どういったものを天命と言うんでしょう?」

「お、さすが素晴らしい質問ですね。ありがとうございます。『天命とは、生まれた目的成就への役割』だと定義づけています。誕生日等からも実感できたのではありませんか?誰しも何らかのプログラミングされた設定に基づいて生きています。ぜひその設定を理解し使いこなしきっていただきたいですね」

「すごい!天命をこうもシンプルに分かりやすくまとめた方、初めてです!はい!ぜひやってみたいです。」

「では、私が32歳当時に思いついたものの、20年近く封印してきたものがあります。『自立具現化コーリング』と言いまして、5〜7次元を自由自在に往来できるようになります。5〜7次元とは『核を突き抜けた世界』です」

「そんなのがあるんですか!なんか不可思議ですが、私にもできるんでしょうか?」

「分かってみれば、カンタンです。逆を言えば分かるまでは五里霧中です。人類史上多くの皆さんが悩み苦しんできたテーマの1つ。『ぜひ反論してください』と言い続けていますが、世界中で普遍性がある内容です。

先ほどの『自己否定の正体』を逆手にとった感覚で、おそらくは世界初のアイデアです。カンタンでシンプルだからこそ、深めがいがありますよ。存在価値の重要性をご理解いただいている芽衣子さんのような方にこそ、受けていただきたいですね。」

予想もしていなかった展開に、感極まった。

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名前から観た新次元的あり方〜早乙女芽衣子さん物語14

芽衣子さん、いよいよ本題に入れそうです。亡くなった娘さんの思いを背負い、役割を全うすべく奔走いたします。

即答と葛藤

先日、会の代表である佐々木さんから、思いがけない言葉をかけられた。

「一緒に(この活動を)広めましょう」

私は、二つ返事で頷いた。その瞬間、迷いは一切なかった。魂が純粋に共鳴し、次の一歩を踏み出すことを決めたのだ。 しかしなぜだろう?その後に湧き上がってきたのは、言葉にならない葛藤だ。

私はその感覚を、龍先生に打ち明けた。

「頷いた瞬間は、確かに迷いがなかったんです。でも・・・その後に、何かがざわついて。 『本当に私にできるの?』って、過去の私が問いかけてくるような感覚で・・・・・」

龍先生は、言葉を選ぶかのように言葉を紡いだ。

違和感の正体

「芽衣子さん、いよいよですね。その違和感や葛藤は『魂の更新=転機の兆し』です。違和感を無視するのではなく、象徴として扱うことで、場が深まります。 芽衣子さんが頷いた瞬間に感じた衝動——魂の浄化が進み、深みが増している証です。もし葛藤がなかったとしたら、本当に望むことって何でしょうか?その問いの答えは、芽衣子さんの本質が知っているはずです。」

私はその言葉に、ハッとした。 違和感は、拒絶ではなく兆し。それは、私が次のステージへ進むための、最も重要なものへの更新作業なのかもしれない。

「転機は、すべての皆さんに例外なく訪れます。その時々においてどう解釈し、いかに処理してきたかによります。」

「転機?何のことでしょう?」

「レベルは違えど、今までも同じように違和感を抱くことがありませんでしたか?様々な理由から思い悩むことありませんでしたか?」

「そうですね。ありましたよ」

「誰しも人生において、3回は人生を変えるほどの劇的な転機があると言われます。時代は、泥水が浄化されていくプロセスと考えると分かりやすいです。泥水も時間が経つと水と土に分離されます。上澄みをすくい上げ、別の水槽で同じことをやっているとしましょう。別の水槽に移すことを、『ステージが変わる』ということだとしたら?」

「なるほど。では、今は何かをすくい上げた方がいい時期なんですね。なんとなくそれは納得できます。では、何をすくい上げればいいんでしょう?」

「はい。先ほどその違和感や葛藤の正体は『魂の更新=転機の兆し』だとお伝えしましたね?そもそも芽衣子さんは、ご自身の存在価値に対してはどうお考えでしょうか?」

「今まで県知事として3期やってきて、国会議員への道も考えていました。しかし優花の死を通じて、今までの経歴等がすべて崩れ落ちてしまった感覚です。私には何もありません。生きている資格もないと感じていた中、佐々木さんに声をかけていただいて嬉しかったくらいです。だからこその葛藤でもあります。」

「さすがです。よく把握していらっしゃいますね。改めてお伝えします。芽衣子さん、私と出会えて本当によかったですね。」

「よかったと思いますが、龍先生の視点で、ぜひ教えていただきたいです。何がよかったんでしょう?」

「はい。『存在価値の本質』です。芽衣子さんは、県知事としての責務を果たせていたから価値があったんでしょうか?優花さんが亡くなったから、価値がなくなったんですか?」

「・・・・・・・・」

名前から観た新次元的あり方

名前から観た新次元的あり方

「芽衣子さんは、『Be・Do・Have』という言葉、聞いたことありませんか?」

「自己啓発系のセミナー等で、聴いたことあります。Haveが持っているもの、Doがやっていること、Beが・・・」

「Beが・・・?」

「よく聴くんですけど、何と表現したらいいかが曖昧ですね。直に話してみて分かりました。」

「でしょうねぇ。予想通りの返答です。もし芽衣子さんの『Beの本質=あり方』が分かったとしたら、どんないいことが起こりそうでしょうか?」

「先生がおっしゃられるイメージが、なんとなくつかめてきました。『県知事をやめて何でもない一般人だろうが、どんなに惨めで嫌なことがあろうとも、絶対に揺らがないもの』ということでしょうか?」

「さすがです!どおりで先日の会で、一目置かれるようなことが起きるんですね!潜在的にはずいぶん理解できているようですから、あとは本質的理解と深みですね。」

先生に認められると、なんだか高揚感がある。「ありがとうございます。では、どうすればいいんでしょう?」

「はい。本の中にも書いていたかと思いますが、私はその当時『Mr.存在価値』と名乗っていました。『Mr.』と呼べる理由は、存在価値の核が名前だからです。名前を深掘りできた分、存在価値への理解が深まります。」

「なるほど・・・。だからこそ、優花のノートに『名前って、何・・・?』と書いてあったんですね。優花にとって、問いに問うてきた詰まりだったのね。」

「ごもっともです。確かにそのとおりですね。優花さんの思いを継ぐことになるかと思います。」

「全くですよね。どうすればいいでしょうか?」

「まずは、『姓名承認』と『姓名覚醒』があります。今の芽衣子さんには圧倒的に『姓名覚醒』をお勧めします。精度にこだわっていますので、まずは誕生日・血液型・出生順・出生地を教えてくださいませ。約3ヶ月を予定していますが、芽衣子さんが望まれる確実な次元上昇が起こります。「新次元的あり方」どうぞ楽しみにしておいてください」

「まぁ!そうなんですか!ありがとうございます」

「私」という物語

龍先生との対話を経て、私の心は少しずつ晴れていく。

この葛藤は、物語の新章の始まりなのだ。 私の本質が、佐々木さんという新たなパートナーと共に、どのような「場」を創り出していくのか。 そして、優花との約束を灯として、深い部分に沁み渡る言葉をどう紡ぎ出していくのか?

もし龍先生に出会っていなかったら—— 私はきっと、資格や肩書きに頼り、誰かの役に立つことで自分を保とうとしていたかもしれない。いかに優花の死を嘆き悲しんでも、延長線上で生きている私がイメージできる。今は違う。私は、最も重要なものに触れる語り手として、場を創る者として、ここに立っている。

私の物語は、ここから新たな展開を迎える。 それは、「最も重要なもの《あり方》への更新作業」を始めるのだ。

——これは私だけの話ではないのかもしれない。同じように悩み苦しむ人を含め、誰にでも転機は訪れる。私のように、「もうムリだ」「私なんかにできるわけがない」と考えてしまうだろう。

「たかが名前」と感じていたが、「されど名前」なのかもしれない。龍先生の底が見えないほどの自信に、希望を感じている。「新次元的あり方」にも興味津々だ。亡くなった優花が書き遺したメモ「名前って、何?」のルーツをたどるべく、宿る意味を見つめ直してみよう。

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響鳴する魂と新たな役割〜早乙女芽衣子さん物語13


芽衣子さん、いよいよ新ステージです。

導かれた扉

玲子ちゃんから送られてきたメールを、私は何度も読み返した。コミュニティの代表者、佐々木さんの連絡先と、玲子ちゃんからの温かいメッセージ。胸の高鳴りは、優花との再会を果たせたかのように、私を突き動かした。意を決し、佐々木さんに連絡を入れた。

数日後、コミュニティ「いのちの灯(あかり)」の集会に初参加。会場は、市内にある小さな公民館の一室。緊張で手が震える中、扉を開けると、そこには十数人ほどの男女がおり、自然な円形に椅子が置いてある。皆の顔に共通しているのは、私と同じ、深い悲しみを抱えている影。

誰かが息を呑んだ気配がした。前県知事という、毎日のようにTV等で見ていた顔が、突如目の前に現れたのだ。辞職の理由は、あえて公表していない。「なぜあなたが?」と不可思議に感じるのは当然かもしれない。そんな中、意図的に気づかないふりをした。

「こんにちは。よくいらしてくださいましたね。ありがとうございます」会の前に声をかけてくださった方がいた。玲子ちゃんのお姉さんの敦子さん。電気工事の職務中に高電圧を浴びる事故で、一瞬の出来事だったそうだ。2姉妹の母として立派に育て上げ、今では5人の孫がいるという。

魂の響鳴

佐々木さんの温かい司会で、集会が始まった。 「今日は新しい仲間が来てくれました。早乙女芽衣子さんです」 皆が温かい拍手で迎えてくれた。その優しさに、恐縮さが緩んできた。「私はここにいていいんだ」と認めてもらえているのが伝わってくる。

集会は、形式ばったものではない。各々が自分のタイミングで、胸の内を語るだけ。最初に口を開いたのは、高校生の息子を病気で亡くしたという女性。彼女は、息子の死を「無意味なこと」だと考えていたと、震える声で語った。「ここで皆と話すうちに、彼の命は私に、痛みに寄り添うという使命を与えてくれたんだって思えるようになったんです」

次に話した男性は、交通事故で妻を亡くしたという。彼は、後部座席で眠っていた娘と助手席の自分が助かったことに罪悪感を抱え続けていた。「妻が命をかけて、私たちを守ってくれたんだって思うようになりました。娘と生きることが、妻への一番の供養なんだって」

彼らの言葉は、私の胸に深く突き刺さった。それは、龍先生が教えてくれた「魂の願い」や「昇華」という言葉を、彼ら自身の言葉で語っているようだった。私も、この人たちと同じなのだ。同じ痛みと、そこから見出した希望を抱えているのだと、心から感じた。

再出発の灯

私の番が回ってきた。私は深呼吸をし、ゆっくりと話し始めた。優花の自殺で県知事という役職をやめざるを得なくなってしまったこと、後追い自殺を考えたこと、そして龍先生との出会い。優花のメッセージを伝えると、皆の目が涙で潤い、鼻をすする音が部屋中に響き渡った。それは、同情の涙ではない。皆の魂が、深く共鳴している証拠のように感じた。

「優花の死を、私はただの悲劇では終わらせません。この経験を、誰かの救いにつなげたい。私は、優花との再出発を、この場所で始めたいと思っています」

私の言葉に、皆が拍手しながらうなずいてくれた。それは言葉以上の温かい肯定だ。私は、1人ではない。ここに、私の新しい居場所がある。そう確信した。

共鳴する魂と新たな役割〜早乙女芽衣子さん物語13

集会が終わり、私は佐々木さんに声をかけられた。 「芽衣子さん、あなたの言葉には、大きな力があります。ここ『いのちの灯』で、あなたの経験を必要としている人がたくさんいます。もしよろしければ、この活動を一緒に広げていきませんか?」

私は、優花との約束を胸に、勇気ある一歩を踏み出す気持ちでうなずいた。それは、私の「自己信頼」という種が、芽を出し始めた瞬間なのかもしれない。再出発の灯を掲げきれた安らぎを胸に秘めながら。

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新しい扉〜早乙女芽衣子さん物語12

言葉にできない叫び

龍先生との対話から数日後。対話を通じて体感した思いを、ブログに表現しよう。ブログにログインしキーボード打ち始めた。・・・言葉が出てこない。思いはあるが、「書いても誰も受け止めてくれない恐怖感」「そもそも書きたい気持ちはあれども、言葉にできないもどかしさ」があることに気づいた。

スマートフォンの連絡先をスクロールしながら、ある名前で指を止めた。高橋玲子さん。優花が亡くなった直後、誰よりも静かに寄り添ってくれた。警察署の霊安室前のソファーで、私の震える手をそっと包んでくれた。

県知事当時、私の講演のスピーチライターで、公私ともに関わっていただいていた。娘の自殺の連絡があった際、真っ先に電話していた信頼する女性だ。53歳の彼女と娘の歳が近いこともあり、「玲子ちゃん」と親近感があった。

「今、少しだけ話せますか?」 震える指でメッセージを送ると、即「もちろん」と返信があった。その4文字に、胸の奥からこみ上がる感情。平静を保ちながら、日時と場所を調整した。

長年信用できていた重み

再会した喫茶店で玲子ちゃんと向き合った。彼女の心配そうな眼差しに、堰を切ったように話し始めた。優花が亡くなった後の、糸が切れ何もできずゴミ屋敷化していた日々。後追い自殺を考えたこと。龍先生との出会い。優花が私に伝えてくれたメッセージ。言葉を選びながら、この胸に秘めていた痛みを、初めて他者に打ち明けた。

玲子ちゃんは、何も言わずうなずきながら、ただ聴いてくれた。私の言葉が途切れると、長い沈黙が流れた。私は、自分が何を話したのか、それがどう受け取られたのか、怖くて仕方なかった。

彼女の口から出たのは、想像を遥かに超える言葉だった。話してみて感じたのが、私は彼女個人は知っていても、周囲の関係性までは知らなかった。彼女をスピーチライターとして長年信用できていた重みを、今初めて知った。

新しい扉〜早乙女芽衣子さん物語12

「芽衣子さん。まずは、私に話しかけてくださって、ありがとうございます。私から何かを言うと、強要になってしまう気がして、ただただ祈る日々でした。語れないことも、語りたいという気持ちも、どちらも大切です」 そう言って、彼女は朴訥に語り始めた。

「実は私の姉も、夫を事故で亡くした経験があるんです。芽衣子さんは、小さなコミュニティには興味ありませんか?親兄弟や友人等、大切な人を亡くした皆さんが集まるそこは、言葉にできない悲しみを抱え、互いに支え合う場所です。芽衣子さんが話してくれた優花さんのメッセージを、きっと真剣に受け止めてくれますよ」

新しい扉

私の心臓が、大きく、力強く鼓動した。信頼する人を通じたつながりが、想像もしなかった新しい扉を開こうとしていた。その日の夜、高橋さんから一通のメールが届いた。そこにはコミュニティの代表者の連絡先と、彼女からの温かいメッセージが添えられていた。

「芽衣子さんの一歩が、同じように悩み苦しんでいる誰かの希望につながりますように」

私は、優花との再会を果たしたかのように、胸が高鳴るのを感じた。

「優花。私の声は、確かにちゃんと届いたよ。」喜び溢れる気持ちを、グッと握りしめた両手に込めた。

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希望の輪郭〜早乙女芽衣子さん物語11

痛みの中に芽生えた光

「あの痛みを味わいきったことで、何かが変わった。体の奥底から、凍っていた何かが溶け出すような感覚があった。」

夜明け前の静寂の中、ベッドの中でそっと目を開けた。先日の激痛を思い出す度、胸を締め付けられるような感覚は消えない。しかし今はそれだけではない。温かい、確かに温かい何かが、胸の奥で息づいているのを感じる。

優花の笑い声が、風のように私の胸を撫でていく。その声は、私を責めるのではなく、前へ進めと背中を押してくれる。 娘の死に対する自責の念は、確かに残っている。だが、それだけではない。まるでこの経験には意味があるのだと、全身で訴えられているような気がした。

数日後、再び龍先生との対話。以前よりも、その表情には確かな光が宿っている。

「芽衣子さん、前回の対話から何か心境の変化はありましたか?」龍先生の声は、いつものように穏やかで、心にすっと沁み込んだ。

「はい、龍先生。娘の死を、ただの悲劇として終わらせたくない思いが、日に日に強くなっています。意味を見出したいですね」ゆっくりながらハッキリ答えた。

龍先生が静かに頷く。「素晴らしい変化です。その思いこそが、次に進むための扉を開く鍵となります。」

魂の願いとの対話

「では今日は、芽衣子さんの心の中にある『娘さんの魂が今、何を望んでいるか』、そのメッセージに耳を傾けてみましょう。」龍先生の言葉に、心臓が小さく跳ねた。

「え? 亡くなった後にも、望みがあるんですか? そんな都合の良いことなんて・・・。」思わず声に出ていた。

龍先生が微笑む。「魂には、生前に成し遂げられなかったことや、伝えたかった未完の願いが残ることがあります。例えば分かりやすく、芽衣子さんが今死んだとしましょう。未練が残りませんか?その未練をそのままにしておきますか?」

「絶対にあり得ません」

「ですよね。だからこそ優花さんの想いを芽衣子さんが受け継ぎ形にすることで、新たな希望が生まれるんです。魂の昇華とは、痛みを抱えたまま、それでも誰かのために歩み出「だからこそよかった」となること。それは悲しみの中に灯る小さな祈りのようなものです。

優花さんの思いは、確実に届いています。これから、優花さんのメッセージを受け止めるアンテナ受信機をイメージしてみましょう。優花さんの想いを映し出すスクリーンになってあげるんです」

龍先生は、瞑想を促すように静かに目を閉じた。私もそれに倣い、目を閉じ深呼吸を繰り返す。意識が次第に研ぎ澄まされていく。脳裏に、あの子の笑顔が浮かんだ。幼い頃、無邪気に駆け回っていた姿。

気づけた使命と決意

希望の輪郭〜早乙女芽衣子さん物語11 優花さんからのメッセージ

「・・・この感覚でしょうか?『お母さん、私の分まで生きて。そして、私と同じような悲しみを抱える人が、一人でも減るように、あなたの経験を伝えてほしい』と。」目から、止めどなく涙が溢れ出してくる。

「いかがですか?芽衣子さん。それが優花さんからのメッセージだとしたら?」

「・・・涙が止まりません。悲しいだけじゃない、温かい涙です。優花の死が、私の人生の終わりではなく、新たな使命を与えてくれたのだと、今ハッキリと感じています。」声は震えていたが、そこには確かな力が宿っていた。

「はい。素晴らしいです」

「私は優花の声を胸に、これからの人生を歩んでいきます。この深い痛みは消えることはありません。その痛みの中にこそ、誰かの心を照らす希望の光があることを知りました。」

龍先生は、深く、慈愛に満ちた眼差しで見つめてくれている。「芽衣子さんのその決意こそが、優花さんの魂を安らげ、多くの心を癒す光となりますよ」

私は優花の声を胸に、語り始めよう。この痛みが、誰かの希望になることを信じて。今はまだ、小さな光でも、必ずその光は広がるはずだ。

優花、あなたの願いを、私が生きて届ける。どうか、見守っていてね。

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痛みの先にある希望〜早乙女芽衣子さん物語10

久々に施術家としての感覚をよみがえらせました。3万人超の施術経験あってこその今だと、改めての実感です。

ようやく踏み出せた一歩

龍先生と語らえたことで、ようやく事実を受け止めきれている。以降もいろいろとお手伝いいただけるようになれたことにホッとしている。これから2回目の対話が始まる。

「芽衣子さん、先日はありがとうございます。芽衣子さんの人生に関わらせていただけますことを嬉しく感じています。

今日は、前もってお伝えいただいていた『娘さんの自殺の原因についての探究』というテーマでよろしいでしょうか?」

「はい。死の知らせを聞いたその瞬間から、ずっと気になってきたことです。」

「かしこまりました。事実を知れればいいんですね?では、『芽衣子さんを媒介として娘さんの感覚を探る』ということをやってみようと考えていますが、よろしいでしょうか?」

「そんなことができるんですか!?奇想天外な話に聞こえます」

「一見、確かにそうですよね。私、もともと施術家です。今でもそうなんですが、体に触れる必要がなくなってしまったため、『施術』とは名乗らないようにしています。今主軸にやっていることの方が、私にはふさわしいですしね。」

「まだよく分かりませんが、先生には相応の経験があって成果へ導けるということなんですね?」

「そうですね。効果は信頼関係に比例しますが、あらゆる疾病に対応できます。特に私の場合、精神面における分野に関わらせていただくことが多かったです。

何をやるのかと言いますと、芽衣子さんの脳に訊きます。芽衣子さんの体を会社に例えると、脳は本部です。血液や筋肉は末端の専属部署で、脳によってすべての情報が一括管理されています。芽衣子さんが娘さんに思いを馳せた分、周波数のチャンネルがつながるんですよ」

「初めて聞く言葉が並んでいて、やはり意味が分かりません。それでも理解できたのは、効果は信頼関係に比例するんですね?」

「はい。理解は難しいかもしれませんが、私との信頼関係次第です。例えば私がお伝えしたことに対して、どれだけ本気で受け止めていただけるかで、実践する度合いも変わりますよね?」

「なるほど。であれば、大丈夫です。でなければ、今こうしてサポートをお願いしてもいませんから」

「ありがとうございます。よかったです。ではこれから、モードを切り替えてまいります。

あらかじめお伝えしておきますが、私が予想する限りには、芽衣子さんにはかなりの痛みを伴います。心の準備はできていますね?」

「よろしくお願いいたします」

私を通じた娘の声

痛みの先にある希望〜早乙女芽衣子さん物語10  娘 優花が自殺した理由

「・・・・・・・底なし沼のようなぬかるみと、全面的に覆われた高い壁があります。ぬかるみの正体は、土台や基礎です。『砂上の楼閣』のように、何かを築き上げたいのに、何をどうすればいいのか分からず困っているイメージ。と言われて、今どんな気持ちが湧いてきますか?」

「・・・なぜなんでしょう?私の意思とは関係なく、涙が・・・」

「やはりそうなんですね。その涙は、優花さんの涙です。当初、『芽衣子さんを媒介として娘さんの感覚を探る』とお伝えしましたよね?今、芽衣子さんの体の反応で起きていることは、優花さんです」

「え・・・・・・・・・、優花・・・・・・・・」

「ぬかるみがなぜ、どのように困っていたんでしょう?・・・『私はダメ人間だから』と返ってきます。反応上でもそうですね。『TVで華やいでるお母さんを見ていて、何の取り柄もない私にうんざり。』反応上でも、そう確認できます。いかがでしょう?」

「え・・・・・・・・?どういうこと?私と比較していたの?」

「はい。反応上、『Yes』と出てきます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」私は絶句した。混乱している私の感覚と、スッキリ澄み渡ってきている感覚が両立している。

「高い壁にどんな意味があるのか訊いてみます。・・・やはり『私はダメ人間だから』と返ってきます。環境的には開けていても、心を閉じこめ隔絶された状況です。私の自衛官当時、価値観が合わず強烈な孤立感を味わった感覚がよみがえってきます。」

「そんな・・・・・・・・」

「結果として、『私はこの世にいない方が社会貢献になる』と考えたからだと返ってきます。いかがでしょう?」

痛みの先にある希望

「そろそろ訊いてもよさそうですね。何がきっかけで、自殺の引き金となってしまったんでしょう?・・・・・・・・・長い沈黙でしたが『好きな人と別れたこと』だそうです。反応上でも『Yes』と返ってきます。」

「・・・だから!年初めに会った時は、心なしか軽そうだった。あの時、付き合っている方がいたのね。言ってくれればよかったのに」

「『言ったところで聴いてなんてもらえそうにない』って感じたようです。」

はじめに言われていた「痛み」の意味が、今ハッキリと理解できた。もちろん体に触れられているわけではないんだから、体の痛みではない。娘のことを全く理解しようともせずに、政治に夢中になっていたのだ。

《娘を死なせてしまったのは私》何となく予想していたが、当たらずとも遠からず。空いていた心のスキマに、ドーッと押し寄せてくる感情がある。明確に「痛み」を感じている。

「芽衣子さん、これからですよ。『事実を知りたい』とご要望いただきましたので、このような対応になりました。これからをどう生きていくかによって、『だからこそ』と事実を感謝できるようになれます。」

「え!?この痛みを感謝へ?どうやって?」

「はい。どうぞ楽しみにしておいてください。まずは、今湧き出ている感情をちゃんと味わいきりましょう。」

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存在をたどる旅(名前による解放)〜早乙女芽衣子さん物語9

『芽衣子さん物語』久しぶりです。どうしても書き進める気になれず、保留しておりました。

娘 優花さんの死に伴い、遺品整理をしていて見つけた私の著『自分の名前を愛する力』。こちらを通じてメッセージを送ろうと試みるも・・・。

ようやく送れた

今朝、ようやく送れた。龍先生とのご縁に感動し、何度もメッセージを送ろうとした。けれど書いては消し、送信ボタンの前で手が止まる。それを繰り返すうちに、過ぎていった日々。娘の死をどうしても曝け出したくない――けれど、なぜか先生には、伝えてもよいと思えた。

数時間後、丁寧な返信が届いた。「よろしければ、お気持ちやご状況を少しお聴かせいただけませんか?」その一文で、受け止めてもらえたような気がして、和らいだ。

やりとりを重ねるうち、自然と娘のことを打ち明けていた。メッセージでは伝えきれない思いが溢れ、オンラインでお話しすることに決めた。

当日。画面越しの龍先生は、想像よりも柔らかな雰囲気。表情も声も穏やかで、どんな言葉も否定せず、まず「聴く」ことに徹してくれている。

「早乙女さん、今日は本当にありがとうございます。勇気を出してご連絡くださったこと、深く感謝しています」

その言葉に、胸が熱くなった。私は、今まで一度も感謝される存在として、娘の死を語られたことがなかったからだ。まず私自身が受け止めきれない。

涙をこらえながら、ゆっくりと話し始めた。優花のこと、名前に込めた意味、そして何も伝えられなかった後悔。「名前って、なに?」という問いが、今も私の中に生きていること。

先生は、何度も頷きながら聴いてくれた。

名前のちからに導かれて

「早乙女さんの言葉は、まさに『存在をたどる旅』ですね。優花さんが残してくれた問いは、きっとこれから芽衣子さんの人生そのものになっていくんでしょうね」

存在をたどる旅――その言葉が、私の胸に深く残った。

初対面の相手に、自殺という現実を語るなど、本来であれば到底できない。けれど、画面越しに映る龍先生の表情は、どんな言葉よりも誠実さを感じさせた。こちらが話し出すまで、決して急かすことなく、ひたすら黙って待ってくれていた。

「娘の名前は、優花といいます。私が名付けました。」

自分の口からその名前を発した瞬間、胸の奥で何かが崩れた。あまりに長く、あの子の死と、優花という名を結びつけることを拒んできたのだ。だが今、初めて名前を通じて、娘の存在感をつながり直せたような気がした。

話しているうちに、言葉にならなかった思いが、少しずつピント合わせが進んでいく。

「この名前には、『やさしさ』と『花のような笑顔』を込めました。でも・・・その思いを、あの子に伝えてこなかったんです。」

涙がこぼれる。自責や悔いではなく、「ようやく言えた」ことへの安堵に似た感情。

「優花さんは、きっと今その言葉を聴いていますよ。そして、ようやく愛されていたと実感している気がします。でなければ、その涙がウソになります。あくまでも私が受けた感覚ですが、その涙は優花さんが納得し理解してくれた涙です」

この言葉が、私の心を、やさしく深く溶かしていった。

存在をたどる旅(名前による解放)

対話を終えた後、しばらく椅子に座ったまま放心状態。目の前の画面はもう閉じているのに、そこに先生のまなざしがまだ残っているような感覚がある。優しいけれど真っ直ぐで、私自身が避けてきた問いに、正面から光を当ててもらえたようだった。

「名前って、なに?」

この問いが、今までとは違って聞こえていた。あの子が遺した問いが、私の中で再び息を吹き返している。ただの悲しみの象徴でも、乗り越えるべき痛みでもなくなった。未来へつながる問いとして、生きている。

私は、自分の名前をこんなにも他人事のように扱ってきたのだと思い知らされた。「名前は識別情報ではない」「名前は、永久に寄り添う言葉だ」――龍先生の言葉が、胸の奥にじんわりと沁みていく。

それにしても、不思議だ。誰にも言えなかったことを、こうもあっさりと話していた自分に驚いた。涙も出なかった今までがウソのように泣いてしまった。言葉たちが、ようやく意味を持った。ようやく、本当の始まりに立てた気がする。

まだ何も解決していない。優花がなぜ命を絶ったのかも、私がこれから何をすべきかも、分かってはいない。それでも、1つだけ確かなことがある。

「私は、逃げずに向き合おうとしている」

たったそれだけのことが、こんなにも心を軽くするのだと、今さらながら驚いている。明日が少しだけ、こわくない。

存在をたどる旅(名前による解放)

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