告知の沈黙と揺らぎ
画面がつながった。龍先生の顔が映る。軽く挨拶を交わし、姿勢を正し息を整える。心地よい沈黙が、場を調えていく。
「先生、お時間とっていただきありがとうございます」
「こちらこそ。美奈さんと語らえることを楽しみにしていました。」
微細な光の粒が、画面越しに揺れているようだった。
「実は・・・舌ガンの告知を受けました。ステージ1だそうです。3人の医師から切ることを勧められています。しかし絶対に切りたくありません。」
沈黙・・・・。画面の向こうで、龍先生が瞬きを止めた。重苦しい雰囲気に、言ってしまった後悔の念が湧いてきた。わずかな時間なのだろうが、ものすごく長く感じる。鼓動が高まっていく。
料理人としての意志
「そうでしたか・・・。先日、言おうとして黙られたのはその件ですか?」
「そうです。味覚が麻痺してきていて。私、料理人としての人生を全うしたいんです。どうしてもあきらめきれません」
「そうですよね。すごくごもっともです。SNSで『プロフェッショナル』へ出演なさった等の経歴を拝見しています。まさにこれからですよね。」
「はい。そうなんです」
「結論からお伝えします。大丈夫です。美奈さんは、十分快復できますよ」
「え!?本当に?3人の医師から切るよう勧められたのに?」
「はい。ちなみに美奈さんは、本当に切りたくないんですね?切らずにガンを治したいと?」
「はい。ものすごくそれを望んでいます。」
「はい。ならば、やはり大丈夫です。美奈さんの真剣さと比例関係にありますから」
「どういうことですか?」
治療の主役
「3人でお会いした折に、もともと施術家だったことを話しましたよね?」
「はい」
「当時から『治療だ』とこだわってきました。通常なら医師でもないのにその言葉は使えないんですけどね」
「なぜ使えたんですか?」
「表現上の違いです。ご本人が自然治癒力を発揮して、ご自身が自らを治療していくから。この表現だと引っかかりようがありませんし、施術における超正統派だと考えてます。だから今、体に触れる必要がなくなってしまったんです」
「なるほど。要は、1番の主役は私の中にある自然治癒力だということですね?」
「そのとおりです。自然治癒力を活性化させる秘訣は、体に触れずとも対応できることが分かってしまったんです。結果、オンラインでメールのやり取りでさえもできるようになりました。」
「へぇ〜〜〜!そんなことがまかり通るなんて信じられませんが、あるんですね!」
「そうなんです。だからこそ、信頼関係がすごく重要になってきます。『◯◯◯が原因です』なんて言っても、まっすぐ受け止めてくださらないなら、具現化は厳しいですよ」
「確かに!本当にそうですね。すごく分かります。スタッフとの関係性を築く上でも、ものすごく大切にしてきました。」
「よかったです。ありがとうございます。では、信頼関係の構築ってどうやって紡いでいくんでしょう?」
「はい?例えば頻繁に会って話し合ったり等の積み重ねですかね?」
「それよりもっと速くて分かりやすい手法があるんです。それが、真紀子さんが大絶賛してくださっていた『自立具現化コーリング』なんですよ」
究極の核
「自立具現化コーリング。あ、コーチングじゃないんですね。聞き慣れない言葉が並んでいますね」
「そうですよね。先日、究極の核は『心と体』じゃなく『自己対話』だと言いましたよね?」
「はい、おっしゃられていましたね」
「はい。その自己対話の世界に、『究極のパートナー』を創り出して、対話を重ねていくプロセス形成サポートをしています。」
「はぁ。そうなんですね」
「そのパートナーさんは、今現在もすでにいらっしゃいます。しかしながら残念なことに、曖昧にされ『いればいいのにな』程度にしか考えられていません。結局のところ、いないのとほぼ同じ状況です。だからこそ、明確に実在化させていくんです」
「そのパートナーさんができることで、どうなっていくんですか?」
「例えば今回、私と会って語り合いたいと思ってくださったのは、真紀子さんが熱く勧めてくださったからですよね?」
「そうですね。」
「真紀子さんが勧めてくださっても、美奈さんご自身が違和感を抱き納得できなかったら?」
「おっしゃられている意味が分かりました。誰かに言われても、私自身が決めて選択したからこその今なんですね?」
「そうです!さすがですね。決断する判断基準は、自己対話がなされてきた経過次第でもあります。ここをスムーズに一本化させようとしています。この核さえできれば、解決はかなり楽になりますよ」
「確かに。初めは何のことか、雲をつかむような感覚でしたが、ピントが合ってきました。」

オーダーメイド神
「素晴らしい!本当に理解が速いです。そんな中で、究極と呼べるパートナーとしての条件を、3つ考えました。
・美奈さんが、一生涯かけて憧れ尊敬し、相談したくなる
・美奈さんのことを生まれてから死ぬまで、すべてを理解し把握できている
・美奈さんが欲しいと感じているモノのすべてを、すでに持ち実践している
こんな方、周囲にいらっしゃいますか?」
「確実にいませんね。誰でしょう?そんな神様みたいな人?」
「そうですよね!まさに『美奈さんだけのオーダーメイド神』となり得る方です。その方が誰なのかを、プレセッションでお伝えさせていただいています。興味ありますか?」
「そうですね。その延長線上に、ガンが快復していく未来があるということですよね?」
「そのとおりです」
「分かりました。ぜひ聴かせてください」