
以下の内容は、価値提供ではなく、価値観表明です。あなたに何か押し付ける気持ちは微塵もありません。不要だと思われるなら、どうぞスルーしてくださいませ。
AIの大躍進化
AIの大躍進化が止まりません。最新モデルが公開される度に、「人間の仕事はどうなるのか」「自分の価値は残るのか」という問いが、以前よりも現実味を帯びて迫ってきています。あなたにおいてはいかがでしょうか?
この問いに対して、世には大きく2つの反応があります。
1 「AIは脅威だ。だから急いで学ばなければならない」という焦り。
2 「AIは便利な道具だ。うまく使えばいい」という楽観。
私には、どちらも本質を避けているように感じています。あまりにもったいない。
AIが奪っているもの
結論。AIが奪っているものは、価値ではありません。AIが奪っているのは、これまで私たち人間が「価値だと思い込んできたもの」。細かいかもしれませんが、決定的な違いです。
・知識を多く持っていること
・速く、正確に作業できること
・正解を出せること
・最適な選択肢を提示できること
これらは長い間、「専門性」「能力」「市場価値」と称されてきました。今、AIはそれらを人間よりも速く、安く、安定してこなしています。これは敗北ではありません。役割終了の節目。
昭和初期の時代、電話交換手という職業がありました。電話が直通できるようになったので廃業へ。鉄道会社の切符切り担当者も、Suicaの開発以降、廃業に至りました。
評価制度の転換期
これまで多くの皆さんは、「何ができるか/持っているか(DoやHave)」で自らの居場所を作ってきました。だからこそ
・自分より速い存在
・自分より正確な存在
・自分より知っている存在
が現れると、不安になります。いったん距離を置き冷静に考えれば、それは人間の価値自体ではなく、価値を証明するために使ってきた手段です。AIは、その手段を不要にしただけ。あらゆる評価制度は、世界規模で根本的に変わらざるを得なくなります。
なぜなら、誰がやっても同じような成果を出せてしまうからです。現行の評価制度は、ほぼ機能しなくなりつつあります。
AIにできないたった1つ
AIにできないこととは何でしょうか?
創造性?感情?倫理?どれも部分的には、すでにAIは触れ始めています。どうしても越えられない一点。それは決めること。
AIは選択肢を出す。
AIは最適解を示す。
AIは結果を予測する。
しかしーーー
・それでも「これ」を選ぶ理由
・損をしてでも、やる覚悟
・失敗しても、引き受ける決断
これだけは、AIには生成できないのです。私はマンガによって多くを学んできた自負があります。例えばーーー。
総合格闘技の試合において、長時間持ち堪えきれない主人公。相手も弱点を見抜きます。結果、消耗戦に持ち込まれます。
それでも主人公は、ある「理由」によって限界を越えます。自分が勝ったら、手術を恐れている男の子が勇気を出して手術を受けると約束していたからです。限界を超えていくプロセス描写が見事で、感動し涙がこみ上げてきました。
勝てそうにない強敵に立ち向かい、相手に「完敗だった」と言わせる。能力そのものではありません。引き受けた理由が、人生の枠を深め広げ得るのです。
人間の本来の価値
AI時代において、人間に残る仕事は何でしょうか?それは書くことでも、売ることでも、分析することでもありません。決めることが、なぜ重要なのでしょうか?
・何を大切にするのか
・どこまでをAIに任せるのか
・何を自分の人生として引き受けるのか
この「決める」という行為には、「50.1:49.9」のような僅差な場合だって起こり得ます。必ず責任と覚悟が伴うのです。だからこそ、人間にしか、あなたにしかできません。
だからこそ、これからの時代は決断力と胆力(決めたことを正解にする力)だとみなしています。あなたの人生において、あなた以外の誰かに主導権を渡してはなりません。AIや他人がいかに素晴らしかろうとも、あなたの人生を華やかに劇的に魅せるための脇役なのです。
AIは鏡
AIの進化によって、快適さが格段に増します。便利で簡略化される分、言い逃れが厳しくなります。「できなかった」「時間がなかった」「調べられなかった」そうした理由は、すべてAIが肩代わりできるから。残る問いは、ただ1つ。
いったいあなたは何をどう生きたいのか?
繰り返します。AIは人間の価値を奪いません。価値だと思っていた幻想を剥がします。だから怖いのです。AIが映しているのは未来ではなく、あなたご自身の鏡であり「心の空白」なのかもしれません。
その空白を、表面的な恐怖や妥協で埋めるのか?他人の答えで埋めるのか?内から湧き出てきたあなたご自身の言葉で埋めるのか?
AI時代とは、人間がもう一度「自分の人生を選び改める」時代なのです。