「国」という漢字に秘められた意味を考えたことはありますか?現代では当たり前に使われているこの字ですが、古代においては特別な意味を持っていました。建国をしたと語り継がれている神武天皇の建国理念から考えると、「玉」という字の意味の解釈が浮き彫り化されてきました。
戦後のGHQによる占領政策によって、変えるよう強要されたと考えていましたが、「国」に至っては例外だという見解です。
今回考えるようになった経緯は、久々に「國」という字を使われている名前を見かけたからです。もともと知っている漢字でしたが、調べてみるまでには至りませんでした。気になれたことに感謝しております。
「國」という漢字の語源と背景
まずは「國」の語源について。「或」という漢字の意味は、「あるいは」という接続詞的な用語です。それがなぜ「口」が入ることで戦争につながるのか疑問でした。
語源は、古代中国の象形文字にさかのぼります。「口」と「戈」を組み合わせた形で構成されています。
・「口(かこい)」:囲いや領域を示す象形文字。
・「戈(ほこ)」:武器である矛や戈を表す象形文字。
これらの組み合わせにより、「或」は元来「特定の区域を武力で囲む」や「占有する」といった意味を持っていたのです。その後、特定の範囲や不定の数を示す意味に発展し、現在では「ある」「または」「もしくは」といった不確定や選択を表す語として使用されています。
旧字体の「國」には「或」(領域を囲んで守る)、「戈」(武器)が加わることで「守られた領域」、特に戦いで勝ち取った土地や領土を指していました。「國」には「戦いに打ち勝ち、守り抜くことで成り立ったもの」という意味合いが強く込められていたのです。
中国はじめ世界各国では、「奪るか奪られるか」の殺戮ばかりの時代背景でした。ヨーロッパでも、無血革命だったという理由から「名誉革命」と称されるほど、戦って勝ち取ることが当然だったのです。今回の「口」の中で守られている「玉」には、どのような意味があるのでしょうか?
「玉」に秘められた想いと元軍医との対話
結果的にはGHQの占領政策によって、強制的に変えさせられたのかもしれません。意味を深掘ってみて感じたのは、「本来の意味に近づいてきたのでは?」です。
神武天皇によって初めて国と認定された時、「国」とは単に土地や建物を意味するものではありません。そこに暮らす方々である国民が「玉」として大切にされるべき存在であるという思想があったと考えられます。この「玉」とは、尊い宝としての国民一人ひとりのこと。「国」とは民を中心に成り立っているという概念が込められているのです。
記憶が正しければ2014年、元軍医だったという96歳老紳士の話を聴かせていただきました。まだまだ第2次大戦における特攻隊の皆さんはじめ、洗脳されたと思い込んでいた時期の質問。「特攻隊の方々はじめ、『天皇万歳』と喜んで死んでいかれたそうですが、本当ですか?」
即答でした。「本当だ。私は生き残ってしまったが、私もそんな気持ちで戦地へ赴いた。」
「なぜそう思えたんですか?」本当に理解できず、質問を重ねました。
また即答でした。「天皇と親子だから」
その時の言葉のエネルギーを今でも鮮明に覚えています。今、この文章を書いていて涙が込み上げてきました。天皇と国民は、まさに親子のような信頼関係で結ばれていたのです。
国歌『君が代』との関連性
国歌の「君が代」も、建国の理念にものすごく根付いています。「君の治める世が末永く続き、岩が苔で覆われるほどの平穏な時が続くように」という願いが込められた歌です。歌詞の「君」とは、天皇や国家そのものを指すとされ、国家の永続と安泰を願う意味が強く含まれています。
神武天皇の時代から続く「人々と共にある国家の永続」という理想は、『君が代』の中にある「悠久の平和と繁栄」への願いと一致しています。『君が代』にある長寿の願いは、国民一人ひとりの幸福と国家の平和が、共に繁栄することで達成されるという日本独特の価値観を反映していると考えられます。
「日本の常識は世界の非常識」と称されている昨今ですが、日本文化を尊敬されている面もあります。これからの日本人の役割は、神武天皇の建国理念を、世界へ発信していくことではないかと考えています。
現代における「国」と「国民」の関係性
神武天皇の時代から続く「国民を宝とする」視点は、現代の国家や社会のあり方にも通じています。国民一人ひとりが尊い存在であるという思想は、あなたの暮らしや様々なご縁にも影響を与えているのです。
『君が代』は、単に天皇や国家への賛歌にとどまらず、古代から続く「共存と安泰」の理想を次の世代へ継承する役割を果たしています。この歌を通じて、国家が守るべきものは国民であり、民が「玉」としての尊い存在であるという神武天皇の建国理念を改めて感じることができるのです。
まさにそのとおりだと実感したのが、皇居掃除で天皇ご夫妻にお会いした時。全部で4回ですが、初回は女性陣が全員号泣。涙の意味を理解できないながら、表現しようのない感動があったのははっきり覚えています。2回目以降、涙の意味がよく分かりました。
現上皇様だった当時、人格的な価値はもちろんですが、受け継がれてきた天皇としてのあり方。「現人神(あらひとがみ)」と戦前に祭り上げられていましたが、まさにだと感じました。
まとめ
「国」という漢字に込められた「玉」の意味を、ぜひ神武天皇の建国理念から考えてみてください。国民がいかに大切にされているのでしょうか?単なる地理的な領土ではなく、人々の集まりが「国」の本質であり、国家はその「玉」を守り抜くために存在するのです。
今でこそ、政治不信から国のあり方を見直した方がいい時期となりました。神武天皇の建国理念を通して、今一度「国」という漢字を見つめ直してみてはいかがでしょうか?