心身の解放〜堺歩美さん物語20

何もしない

朝の吉祥寺駅。中央線がホームへ。人の流れに紛れながら、ふと気づく。急いでいないのに、足が止まらない。整えようとしなくても、そのまま動いている。呼吸が楽で、深く吸えている。足どりがものすごく軽い。

車内。いつもなら、頭の中で今日の段取りをなぞっていたのに、何もしていない。窓に映る自分をぼんやり見ている。つい1ヶ月ほど前までは、通勤中の化粧だった。「何をするか」「誰と会うか」を考え、ファンデーションの厚みやルージュの色を調整していた。何もしないことが、妙に心地よい。

飯田橋で降り、会社へ。歩幅を合わせようとも、速めようともしていないのに、流れから外れていない。どこにも力を入れていないのに、崩れていない。

「それでいこう」

「おはよう」オフィスに入る。

「編集長、例の件ですが・・・」スタッフが資料を差し出す。受け取り目を通す。すぐに言葉が出てこない。けれど、そのまま黙っている。

「それで、どう進めるつもり?」とっさに出た言葉に、間が空く。予想外だったのか、驚いた表情でこちらを見る。そんなに驚かれるような私だったのか?彼自身の言葉で語り始める。途中で口を挟む気にならない。最後まで聴いて、うなずく。

「それでいこう」以上。心なしか嬉しそうなスタッフ。私も嬉しくなる。

沈黙という「間」

午後、作家との打ち合わせ。言葉を探している沈黙。以前なら、何か言って埋めていた。
今日は、沈黙という「間」が心地よい。軽くコーヒーを一口。コーヒーポットからお互いのカップに注ぎ足し、そのまま待つ。

心身の解放〜堺歩美さん物語20

「堺さん。・・・今の感じ、なんかいいですね」作家がぽつりと言う。理由は訊かず、軽く微笑みうなずく。安らぎを分かち合えている充実感。そうだ、私が求めていたのはこういう感覚だ。

安らぎに満ちている

帰り道。中央線の満員電車の中吊り革につかまり、達成感とともに1日を振り返る。前に美奈さんが言っていた「求めてきたマリアージュ」の意味を噛みしめている。当時は何を言っているのか、雲をつかむような感覚だった。変わろうと努力した感覚は皆無だ。気づいたらいつの間にか、切り替わっている。

吉祥寺で降り、改札を抜け、家路へ。夜の商店街を抜け、雑踏の空気が穏やかに入ってくる。エレベーターを上がり、ドアを開ける。部屋の中の安らぎに、思わずアツい何かが込み上げてくる。またこうして家に帰って来れたことがありがたい。

リビングの灯りをつけ、イスに座わる。明確なビフォーアフターの違いに、驚きとともにビジョンの曖昧さに戸惑いが湧いてくる。

投稿者:

RyuAnshin

Universal Flow Therapy 健創庵 龍 庵真(りゅうあんしん)と申します。
 少なくも20万人超の名前と向き合わさせていただいた経緯から、Google検索より速く解説できます。 統命思想というオリジナル事業を立ち上げ、天命に生きる方を輩出するために今を生きています。 絶対に目標達成したい方へ、未知の可能性を実感の自立具現化サポート。 
 
 15才で自衛官となり、出身地の長崎よりも首都圏での生活が2/3となりました。 
 私自身のセルフイメージが強烈に低く、どんなに素晴らしいことをしても、悪い意味でバランスをとるような出来事が起きていました。 マジメに生きようともがきつつも、運命の荒波に翻弄され続けた期間は、30年を超えます。 
 今まで一貫してお伝えしてきたのは、 本当の癒しは、ご自身にしかできません。 
 「自立具現化コーチング」という独自の理論により、 ・過去と未来を今ココに集約させ ・究極のパートナーからアドバイスを受ける ・本当に望んでいる思いを発信源に、過去の記憶を癒す 方法を編み出しました。 
 どうぞよろしくお願いいたします。

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